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【作品紹介】今でも私を呪い続ける

 こんにちは。mijimeもといミサキです。

 今日は今年の春に(今も春・・・?)描いた作品についてお話ししたいと思い、酒の勢いでパソコンを開いた次第です(それよりもミジュツカの準備をしなさい)。


 私事で恐縮ですが昨年の2月末から私は、私の人生の中ではけっこう病んでいました。きっかけは、そのころに知人から投げかけられた言葉。卒制の忙しさから解放され、疲れてだいぶ手をぬいた態度で過ごしていたころに知り合いから言われた言葉。何を言われたのかは、ここでは書きません(願わくば、本人がこの記事を目にすることがありませんように)。

 もともと私は人間関係について少々慢心しているというか傲慢な部分があり(あろうことにかそれを自覚しており、よりこじらせていたのである)、人によってはそんな私を疎ましく思うこともあったかと思います。また、人の感情の起伏には特に敏感な方なので、相手がちょっとでもピリッとした空気を醸そうものなら、あの手この手で笑いを取って場を取り繕うとする性質も持っていました(これは今もあるし、叔母によれば生まれたころからそうだったらしく、これはもはや生まれながらの才能。天性の素質ってやつ)。そんなところが、揚げ足取りと受け取られてしまうことも少なくなく、己の繊細さと気遣いと、配慮のズレが幾度となく人の怒りを招くことがありました。あとはまぁ、こだわるべき点が人とずれているがために結構衝突しかけていました。

 そんな様子が目に余ったようで、とある知人から私自身が周囲の誰のことも信頼できなくなるような言葉を投げかけられてしまったわけです。

 自業自得と言えば自業自得だけど、今振り返ってみれば、「それ、私の性格を正そうというより、自分のことを棚に上げて八つ当たりしてるだけなのでは??(大激怒)」という感じなのですが、当時はちょうど卒制を終えた時期でそこまで元気じゃなかったので、病みまくって人間不信に陥りました。日々自分の一つ一つの言動が、目の前にいる人の地雷を踏みぬかないかと不安で仕方がないわけです。常に気を張り続け、一挙手一投足、全てに神経を張り巡らせ、当然ですがそんな生活をしていたら人に会うのが怖くなりました。幸いコロナのおかげで緊急事態宣言が発令され学校に行く必要が一切なくなったので、アルバイトと日用品の購入を除けば4か月くらい誰とも会っていなかった気がします。

 けれども、こうして今後の人生で大してかかわることもないであろう、というか恋人でも友達でも家族でもない人から言われた言葉に呪われ続けるのは悔しい、なんとしても見返したい、という気持ちが私の中に宿るようになります。それが去年の秋ごろ。

 そんな思いが私に芽生えたことで、「歯牙」という作品の種が生まれました。誰にどんなに傷つけられてくたばったとしても、泥をもつかむ決意を以て何度でも這い上がりたい、受けた傷のひとつひとつを打ち砕いて強くなりたい、そんな思いだけを強く込めました。

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 どこか揺らぎがありながら強く正面を見つめる瞳、眉間のしわと、僅かながら迷いを抱えそれでも強くあろうとする眉、断じて許さないという意思を感じる口元、自分を守り抜くために鋭く研いだ爪。それから、獣のような獰猛さと強かさ、賢さをまとい生きていきたいということで、虎の模様に着想を得た装飾を、顔に施しました。右側の模様はパール顔彩を使用しているので、強く光を反射し、まるで闇に紛れ込む獣の瞳を思わせる表現になっています。(※写真は製作途中のもの)

 

 こんな風に人を恨むこともなかなかないと思うので、まぁある意味いい経験だったのではないかと思います。今までに描いてきたどの作品よりも私にとって大切な作品ができたがわけですし。より私の性格も良い方向にブラッシュアップされたわけですし・・・?(これに関しては相変わらず消化しきれてない) 私なりに自分の在り方についていろいろ反省し、日々振る舞い居住まい佇まいを正してきました。

 今も相変わらず呪われ続け、ふとした瞬間に相手のことを信用できなくなって、不安で眠れない夜がちょいちょい訪れるわけですが、こうして一つの作品が生まれたという点においては感謝ですね。でももうこんな経験はしたくないなーー。もっと人に配慮できて、かつ自分のことも守れるというか後ろ指をさされない人間になりたいものです。



作品情報

タイトル『歯牙』

透明水彩、墨絵の具、パール顔彩、シリウス水彩紙

展示・販売予定:未定

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