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私が認めたくなかったこと①




なぜ、本当の自分で生きれなかったのか。

それは親子関係にあります。

私が物心ついた頃から「なんか違う…」と
違和感をもっていたのは父親でした。
私は機能不全家庭で育ちました。

私にとっては、それがものすごく悔しくて悔しくて認めたくなかったのです。
自分がそんな境遇だったことが人より劣っているような… 恥のような…負けたような気がしていたのです。


後にそれは、恥でも負けでもない。
そういうことではない、ということに気づくことになるのですが…


私は本当に父が大嫌いで、幼少期からずっと「この人は間違ってる」と感じ取っていました。
いつも怖い顔をして自ら不幸になる生き方をしている父を見てこう思っていました。

「もっと楽しく生きればいいのに」


「笑ったらいいのに」

「イヤならやめたらいいのに」

「なんでおもしろくないことしてんの?」

「なんで我慢してんの?」

「なんで違うことしてんの?」 と

父の生き方に疑問しかなく
私が感じていたことと、父の姿が真逆だったことが強烈なトラウマとなり
人生が上手くいかなくなる思考が
見事に浸透し、増殖し、屁泥のようにこびり付き、潜在意識まで到達してしまいました。

「なんで私がこんな目に?」

「こんなはずじゃない」

「なぜ私がここに居るの?」 と
子どもながらに本気でそう思っていました。


父は真面目でしたが、異常な不器用さで
思い込みも激しく、本当に生き方が下手くそで、全力で頑張り方を間違える人でした。
母はとても穏やかで控えめで心優しい人でしたが、自分に自信がなく、父に逆らえず
常に不安や心配の中で生きていた人でした。

父は元々、某自動車会社で営業のサラリーマンをしていましたが、脱サラをして商売を始めました。
でも元来、商売に向いていない性分で不器用さもあり、全く上手くいかず毎日、愚痴や
恨みごと、儲けている人に対して僻み、文句ばかりでした。

昼間は母が商売先のお店に立ち
父はアルバイトと掛け持ち、夕方からお店に立つという生活でした。
上手くいってないのにやり方を変えず
工夫もせず、そのイライラを母に八つ当たりすることも多く本当にみっともない人でした。
眉間にシワを寄せて難しい顔をして
ため息ばかりつき、いつも機嫌が悪く、
子どもだった私にとっては恐ろしい存在でした。

無視するという 'イジメ' のようなものでした。

父はコミュニケーションというやり取りを
全くしないだけではなく、相手の心や気持ちそのものを平気で無視するのです。

上手くいかない商売、それでも執着し続け
毎日夜遅くまで商売先のお店にいたので
家族が揃って夕食を食べることもなく
休みの日に家にいても会話も全くなく
一緒に遊んでくれることもなく
何ひとつ話を聞いてもらったことがありませんでした。

学校での楽しかったこと、イヤだったこと、できるようになったこと…
一切何も話せず、悲しかったり困ったことがあっても助けを求めることもできませんでした。
参観日にも運動会にも一度もきてくれたことはありません。

学校で良いことをしたら褒めてくれる
悪いことをしたら愛をもってちゃんと叱ってくれる、そんなことも一切ありませんでした。

父は本当に何も言わない、何も教えてくれなかったのです。

自分はダメな人間だ…

そんな環境下で育ったので
完全にそう仕上がってしまい
大切にされていないので、自分を大切にしなくなりました。

いつも小さな心が恐怖でドキドキして
虚無感と不安感をかかえ、生きづらくなっていったのです。その苦しさを誰にも話せず
誰も気付いてくれず、イヤなことを我慢するのが当たり前になっていました。

'穏やかで優しくてあたたかい' 感覚を一度も味わったことがないまま、幼少期に受けた傷のとんでもない破壊力に心をされるがままになっていました。

子どもながらに楽しいこと、おもしろいことを思いつくのにそれも家で出すことができませんでした。父が出させない雰囲気づくりをするので自分の長所までも抑えつけられるような状態でした。

【家族】=【恐怖】という悲しすぎる図式。

私の中でそう完成されてしまいました。

家族でありながら家族でなかった。
'家庭' というものが、家族全員にとって
安心できる居場所ではなかったのです。


子どもにとって初めての世界、初めての人間関係の基盤である家庭が地獄のような場所…
もしそんな場所で育ったら
外の世界で自分をうまく出せるわけないのです。
自分らしく生きれるわけないのです。
外の世界でどうやって人間関係を作ればよいのか、わかるわけないのです。


母が病にかかり他界した時、幼少期からの全ての怒りが込み上げ、こうなったのは全て父のせい、と心底、憎しみしかなく本当に許せない感情でいっぱいになりました。


でも、そんな父をずっと許すことができなかった私がどうなったのか。


次回に書きたいと思います。



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