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「あいつら全員同窓会」に心が反応した

「あいつら全員同窓会」というのは、ずっと真夜中でいいのに。というアーティストの曲のタイトルです。これ、曲名にしてはなんとなく違和感のあるワードチョイスだと思いませんか?

私は初めてこの曲名を見たとき「いつも変わった曲作るなあ」と反射的に感じました。

しかし、よくよく考えてみると「あいつら全員同窓会」という断片的な言葉が不思議と自分の中の気持ちとリンクした気がして「あれ、なんか言いたいことわかるかも」という感覚におちいったのです。

同窓会。別に嫌いではありません。友達も少なくはないし、心を許せる友人もいる。久しぶりに会ってみたい人もいる。でもいい大人になってくると、誰にとっても1つくらい「苦手なコミュニティ」はあるんじゃないかと思います。

私もそうで、そんなコミュニティでは特に「自分の現状を断片的に話さないといけない状況」とか「自分にとって思い出したくないことを蒸し返される」ことを考えるとすごく怖くて、カジュアルな集まりなんかでも自然に足が遠のいてしまうのです。

それでもなんか、しばらくそういう集まりを避けていると、自分のいないところであることないこと言われていたりする。「あの時こういう話されてたよ」とか、聞いてもないのに後から報告されたりしたら、もう最悪ですよ。

とまあ愚痴みたいになってしまいましたが、、笑
そんなちょっぴり苦い経験を抱えている私は、この「あいつら全員同窓会」というタイトルになんとなく「思い当たる節」みたいなものがあって、それが心に引っかかったんだと思います。

実際、曲を聴いてみるとそれがあながち間違ってない気がしました。英語訳のタイトルは「Inside Joke(内輪ネタ)」らしいです。私の身勝手な解釈ですが「一生そうやって同窓会でもやってろい!」そういう気持ちを代弁してくれている気がしました。

でもさらに感動したのが、そうしたちょっとした批判にとどまるのではなく「それがどうした、自分は自分だ」という強いメッセージがこの曲には込められているところです。「あいつら全員同窓会」というワードにビビッときたリスナーからすれば、とても背中を押されるメッセージになっていると思います。

このように、曲のタイトルとしては違和感を感じるのに、こんな断片的なワードから自分の感情が呼び起こされ、しかも楽曲を通してその感情にピンポイントにメッセージを届けてくれる。アーティストの想像力の豊かさというか、独創性というか、そんなものを強く感じさせてくれた1曲でした。


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