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映画『Saltburn 』の世界

Amazon Prime で『Saltburn』という映画を観た。この映画の世界観は、すごい気味が悪いのだけれど実際にあるだろうなと思えてしまう。

舞台は、英国Oxford(オックスフォード)大学。
階級制が色濃く現れていて、上流階級の者たちの日常が描かれていた。

映画の作りとしては、主人公は、労働階級出身というのがよく分かる。

実際に、違った階級同士は交わらないのだけれどごく稀に接することもある。

そういう事はとても珍しい筈。
けれど、たまには起こり得る。
そんな話を上手に描いていた印象。

そして、監督自体が上流寄りの目線で作っていると思われるのが興味深い。

皮肉を込めて、富を築いている上流階級への注意突起をしている話なのが伝わった。

地位とそれなりの身分あってこその皮肉であることが重要である作品だろう……

酒を浴びるように飲みDJをバックに踊り狂う。そして、軽くSEXしまくる。勉学はせずとも階級が上なので、優遇され薬物をやる。

豪邸では怪しいパーティーを開き金を使いまくる。しかし、身内だけの会なので何処か退屈だ。群れているけど案外孤独で寂しい。
家庭には問題が潜み精神の問題を抱えている。

そんな社会階層の上位は珍しくないのだ。

好奇心や庶民への憧れから敢えて下がってくる層もいる。そして、暇を持て余しチャリティー活動が好きでよくやるのだが、素行が悪いも珍しくはない。

英国では有名だが、あのヘンリー王子でさえ薬物依存がヤバくお父さんが施設に入れた事で有名。

薬物の王様と言われるヘロインに手を出したヘンリー。施設に入れたい一心でそれをゴシップ紙にリークし記事を書くように頼んだのは、チャールズではないかの噂も絶えない。

死んでしまうかと心配だっただろう。

ヘンリーの話では、周りの同級生はもっと薬物をやっていたから自分は大した事がないとも言っていたはず…

これは、英国出身者の間では雑談のネタにもなっていた。

英国の階級毎の壁はとても高く、パーティーとかにもなかなか参加は無理。
しかし、工夫をこらし壁を取り壊しながら加わっていく変態主人公 Oliver。

この変態王をBarry Keoghan(バリー・コーガン)が熱演している。彼は癖のある演技がとても上手い。今回も味が出ていた。

欧米のパーティー文化は怖いと思う。日常的に薬物を入れられるとかは珍しくないのでかなり注意を払わねばいけない。

私がいたオーストラリアでも、大学入学時のオリエンテーションでは、酔わされて強姦されたり騙されないように、お酒の飲み方を注意するビデオが流れた。

デートドラッグをはじめとする違法ドラッグを酒に入れられない方法を、ある程度の知能がある人は心得ている。酔いまくってしまえばどうなるか分からないので、泥酔する層はバカしかいない。

ある程度頭があるお酒に強くない人は、相当気をつけているし飲み方を工夫している。
酔い始めるまでに飲むのを辞める飲み方を心得るというのかな…

しかし何故か、一部の金持ちには異様に危ない人がいるのも事実だ。ある意味世間知らずなのかもしれない……

これは、日本も外国も関係ないけど酒でやられて全てダメにされたとかはよく聞く。

そういえば、私の祖父も酒には気をつけるようにが口癖だった。全て見ぐるみ剥がされた経営者を知っているし、プライベートが崩壊した人も知っているとよく聞いた。

その根本原因は全て酒とかよく言っていた。

そんな事をちょっと思い出してしまった映画が、Saltburn だった。

目的があれば手段を選ばない人間。
庶民の上流階級への憧れと憎しみ。
そしてそれと愛の倒錯。

上流階級には、ホラーと感じる作品だろう。
皮肉を込めたブラックユーモア的な映画だろうと思った。

とても英国らしい作品で、同時に知的な英語表現と乱れた英語が入り混じっている。

とても実情が良く分かり学習者にも良いと思う。


良い機会なので、過去に書いたこんな記事を紹介

映画を観て、異文化に触れよう。
そして、英語にも活かそう!

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