映画『ザ・メニュー』
最近ディズニープラスで観ていた映画『ザ・メニュー』を観終わった。
面白い作りの映画だなあと思った。
ジャンルはスリラーやホラーに分類されている。なので、痛々しいシーンもあった。けど、それだけじゃなくてちゃんとストーリーもあるなって印象。
食のツアーに参加している人々が、その流れでレストランがある敷地に辿り着く。そして、席に着席後シェフが組み立てたThe Menu いわゆる「あるメニュー」が次々と出されていく。
メニューはショーであり、それは最後で完結する。
殆どがレストラン内部と「あるメニュー」で構成されていて上手いなあと思った。
料理は高級レストランでよくありそうな創作料理って感じがよく表されていて、それも面白いところ。客層もいそう!いそう!と頷きたくなるようなあからさまな顔ぶれなのが風刺になっている。
とても残酷なんだけれど、そのメニューのショーに最後まで付き合わされる人間は決まっている。
それでいて、本当に味わっている人間は明らかになる。「食べる」んじゃなくて…。
「食」と「欲」は一種繋がっていることを非常にシェフは理解している。
残酷な面が際立っているが、人を本当に喜ばせたい人だったはずとも思える。
単純に不快で痛くて寒気がする話って訳でもなく、深みがある話だなと思えた。
あとは、真実と嘘の境目とかそんな事も伝えたいんだろうな…
あとは自分を持つとはどういう事かという話。
シェフの世界は師弟関係がある。憧れの存在に近づきたくて料理の腕を磨こうとする人間もいる。
その憧れている状態から脱却できなければ、自己を確立できないのは事実だろう。
私は高級料理店かどうかで、必ずしも美味しいとか不味いとか決まる訳ではないと思っている。あと、好きとか嫌いも同じ。
評判やイメージに踊らされてしっかり味わっていない人も結構多いだろうレストランの話から、いろんな社会風刺をしている優れた作品と思った。
なので、ブラックコメディとして捉える人もいそうな作品。
インパクトがある残虐シーンを敢えて入れて、人の心に刺さるような作りに工夫している。
ただただ社会に対し、批判や皮肉を言う作品を撮っても、そもそも最初からそんなに観てももらえないだろう。それに観たとしても、退屈になる人が多いだろう。
だからせめてもの工夫が「食」と「ホラー」の融合なんだろうと感じた。
Netflixの『クイーンズ・ギャンビット』で主演を演じたアニャ・テイラー=ジョイが今回も良い味を出していたのも良かった。
英語も高級レストラン設定なので、綺麗なものもあるし、色んなメンツが揃えてあるので多様な表現も聴けるから学習者の息抜きにもよさそう。
スリラーやホラーが苦手でない人に、オススメできる映画です!
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