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「HOTEL moshica 」過去、あるいは未来のイヴたちへ

さよなら、平成。
おめでとう、
僕らの新しい時代。
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先日、新時代前夜祭という特別な一夜に、「HOTEL moshica 」を出展させてもらいました。今日のnoteはあの夜、お話しきれなかった言葉や、お菓子のことをそっと語らせてください。

HOTEL moshica のこと

お菓子と言葉のユニット「HOTEL moshica」。あったかもしれないし、なかったかもしれない、とある不思議なホテルに訪れた旅びとたちの物語をお菓子に再構築して、お届けしています。

わたしが言葉や物語担当、cafe selenの吉田菜々美がお菓子(みんなを甘やかす)を担当しています。ギャラリーで空間ごとつくりあげたり、イベントに世界の一部をきりとって出店させてもらったり。

新時代前夜祭のHOTEL moshica 記録

この夜のためにご用意した、お菓子とフード、それらに纏わる言葉を書き残しておきます。ゆっくり話せなかった、売り切れてた、読みものが見えなかった…そんな寂しさの距離を少しでも縮められたらな、と。

ここからは思考の記録です。

新時代前夜祭のためのHOTEL moshica コンセプト

「HOTEL moshica 」にようこそ
ここは一風変わったホテル。

4つの新時代前夜からやってきた旅人たちの言葉が残されています。

ある人は、神話のような成長を夢見た過去から
ある人は、ユートピアのような未来から
彼らがいのり、祝福した、
それぞれの新時代。

わたしたちはこの時代に何を残せただろう
次の時代に何を持っていけるだろう……

写真のネガを現像するように
4人の言葉を見つめ、すくい上げ、
お菓子とフードに再構築しました。

昭和前夜から、祝福の赤い実を
平成前夜から、おまじないを
令和前夜から、色の名を
新時代前夜から、未知の引力を

これまでも、これからも
すべての新時代前夜におめでとう、
そして、よろしくね。

今回のHOTEL moshica は、4つの新時代前夜からきた旅びとをテーマにしました。昭和前夜、平成前夜、令和前夜、新時代前夜。過去と未来、それぞれの新時代前夜にはきっと、次の時代に向けた希望の祈りとがあったはず。

それらをちいさな物語に展開し、さらにお菓子に再構築して、召し上がってくれた方の身体の一部になって、新しい時代に運んでもらえたら、なんて考えています。

前夜祭のためのお菓子&フード

4つの新時代前夜に添えた言葉と、それぞれのお菓子&フードを書きとどめておきます。noteでは、舞台裏としてそれぞれの前夜への解釈も残してみます。

ビーツのキッシュ(平成前夜)

いたいのいたいの飛んでいけ
魔法はぜんぜん効かなくて
覚えておいて、
無敵のおまじないをひとつ 

16進数 #F8ABA6
RGB(247, 171, 166)
CMYK(0, 40, 25, 0)


つまりピンク!昭和も平成もやっぱりアイドル的ピンクって象徴的だったのでは。女の子のあるべき論がなくなって、1つの価値観に寄りかかれない時代がやってくる感じを出したくて。強くて即効性のある、絶対的な魔法(あるべき論)から、ローカルルール自由自在な"おまじない"へ。同じ色でも意味が鮮やかな、ピンクって思い浮かべるだけで元気になれる。そんな無敵ピンクな祈りを込めたキッシュ。

いちごのマーブルチーズケーキ(令和前夜)

ひとつになれないまま
溶け合いつづけて
なめらかなマーブル 

甘く、切ないまま
繋がりつづけて
曖昧な境界をなぞる

くすみピンクと、乳白色が混ざり合うケーキ。平成→令和に持ってゆくべき、曖昧な境界。断絶はなくならない。だからこそ、境界の美しさや、混ざりあう色そのものから見出す可愛さを、ロマンティックに伝えたくて。わたしとあなたの境界に関する思考数がむちゃくちゃ増える。マーブルって理性、という意味もあるらしくて、ぐっと来た。甘くてミルキー、糖分はリレーションシップのニューステージに欠かせぬアイテム。


ボロネーゼのケークサレ(昭和前夜)

神話のりんご
誕生日ケーキのいちご
いいえ、
現世を照らす一番星は
完成美を夢見た赤い実

あらゆる過去と未来に
存在している祝福の実
永劫回帰、存在肯定

一番難しかった、昭和前夜。昭和って一番長く続いた元号で、大正ラスト・ナイトの瞬間、どんな感じだったんだろう。てっぺんにのせたトマトの花言葉「完成美」をモチーフに、成長神話や産業の飛躍的成長、社会の成熟していく予感を香らせてみたかった。ケーキと名前ついてるけど、味は惣菜パンのようで、モリモリ働けそうなエナジーチャージ担当。

平成最後、そして新時代へのお祝いだけど忘れてはいけないのが、これまでを築いてきた時代。改めて近現代史を知り、学びたいと思った平成最後の日。

花椒オレンジブラウニー(新時代前夜)

連れていくよ
予定調和の向こう側
好奇心をスパイスに
惹かれ合うわたしたち
ずっと未来の万有引力

令和のもっと先の新時代前夜に思い巡らせてみました。"シンギュラリティ"というとテクノロジーアレルギーな人もいるだろうし、もっと柔らかく温度のある未来を想像してほしくて。人間の好奇心って古代から、どんな未来になっても宝だし、自分の好きなものを手繰り寄せるためのテクノロジーもっともっと発展してほしい。そんな未来にワクワクしていたい。

ブラウニーなんだけど、数粒のスパイスがすっと鼻に抜ける意外性がクセになる。今まで知らなかった何かを、すっごく好きになる、あの瞬間。あらかじめ決められた恋人たちだって、何が起こるかわからないよね。予定調和の向こう側、未知の世界にもっとロマンス感じたい。

当日はこんな感じで出店していました。HOTEL moshicaに来てくださった方、ありがとうございます。またどこかで会えたら嬉しいな。

平成から令和にむけて、素敵な場に呼んでくださりありがとうございました。主催の一人、すみたさんがnoteを書いていらしたのですが、空気感をつくること、ヒーロー不在時代の主役のあり方とか、次の時代に持っていきたい言葉がたくさん拾い集めてしまいました。


お菓子&フードについてのこだわりポイントは、吉田菜々美のnoteで明かされておりますのでぜひ🌹


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