作文のはなし #シロクマ文芸部
赤い傘を差していたあの頃、書いた作文を担任の先生に褒められたことがある。
これまでの人生において、取り立てて褒められることなんてあまり無かったから、遠い過去に褒められたことさえも記憶の中で宝物となっている。
褒められた作文は2つあって、ひとつめは金木犀の花が、オレンジ色の絨毯みたいに地面を覆った秋に書いた作文。
友達とそのオレンジを拾って、ティッシュに包み持ち帰る。フェルトをハート型に縫って袋を作り、良い匂いのするオレンジを詰めて『匂いぶくろ』を作った。
それを母にあげ