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父と娘の珍介護道中(日記的エッセイ2010〜2022) 時々、母のこと、故郷のこと、自分のこと EP5

エピソード5
実家のご近所で起こった“火サス”な出来事

2011-03-05(エピソード4の1週間ほど前の話)

昨日は東名ぶっ飛ばしーのの実家と父の見舞い。
しめ切り地獄の疲れがかなり残ってたけど、小田厚の平塚出口できれーな富士山が見えたとたん、がぜんパワーが湧いてきた。

実家に着くと、ポストに届いてたある書面が目に飛び込んできた。
ワオ! それで、ずっと気がかりだったある「事件」が解決したのです。
それはこんな話。

実家が駐車場を借りているお宅の奥さんと、
昨年9月から突然連絡がとれなくなってしまった。
それまで代金は、いつも3ヶ月分ずつその奥さんに手渡ししていた。
大磯のような田舎では、不動産屋が入らない場合が多いので、
こういうのがフツーなんです。
ある時、うっかり忘れてその支払い時期を過ぎてしまった。
「イケネ!」っと、何度か電話を入れてみたけど、珍しく全然出ない。
ちょっと気になったけど、ご旅行にでも行かれてるのかなと、その段階では思ってた。

その大きなお宅は、あまり近所付き合いがなく、雨戸もしめ切ったままのことが多い。そして、連絡がつかなくなって2ヶ月。
これはどう考えてもオカシイぞ! と思い、意を決して直接訪ねてみることに。

ピンポーン、ピンポーン・・・
すると、1階の雨戸がガラガラとものすごい勢いで開いて、
その家の主と思われる私は面識のないおじいちゃまが、「なんだ!」と現れた。
いやー、ビックリです。
だって、いつも見かけてたのは、奥さん(75歳くらいかな)と、その奥さんにしては若い旦那さんだなぁと思う人だけだったから。

面食らいながらも、支払いが遅れたことを詫びてお金を渡そうとすると、
「俺は何も知らねぇ。弟に任せてんだ。そいつが逃げちまったんだよ。金は受・け・取・ら・ない!」と、ものすごい形相。

ヒェ~~ッ! どういうこと? どういうこと? と、脳ミソがグルグル。
このおじいちゃま、こんなに大声で、近所に聞こえてしまっても大丈夫かしら、と、いらん心配までしてしまった。
状況が飲み込めず、「あ、あの、奥さんは?」とやっと言いかけると、
「だからよ、若いのと行ったのよ。いい歳して」と。

再び、ヒエ~~~ッ! それって世に言う駆け落ちってこと?! 
この小さな町で~、こんなに近くで~?! 
頭の中で、「♪チャララランチャラララン、チャ~ラ~」という、“火サス”のジングルが鳴りまくりました。

結局、「金は受け取らない」をどうすることもできず、
状況も謎なまま、駐車場代を支払えないまま、
半年以上、実家に行くたびに「使ってて大丈夫なのかなぁ」とビクビクしながら車を停めていたというわけ。

昨日ポストに入っていたのは、その「奥さん」からの書面。
連絡がとれなくなったことを丁寧に詫びつつ、
振り込みでの新たな支払い方法を示すきちんとしたものだった。
変更の理由の欄には、「急に転居したため(離婚したため)」と書かれていた。

ヒエ~~ッ、離婚! あのお歳で? 勇気あるなぁ、なんてもんじゃない。
生半可じゃできない決断だ。
とても物静かな方だったけど、きっと内なる情熱を秘めていらしたんだなぁと、妙に感じ入った。

名字が変わってないってことは、あの「若い旦那さん」(怖いおじいちゃまの弟)とご結婚されたのか?! 
じゃあ、あの駐車場は弟さん名義の土地なのか?! 
いったい何が? と、今度は“ウイークエンダー”のテーマ曲。

ともかく、車を入れるたびに、「使ってて大丈夫か?」と不安がよぎる、
あの宙ぶらりんな感じから解放されて、ホントによかったー!! 
今日の天気のように、便秘が治ったように、スッキリです(笑)。

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