父と娘の珍介護道中(日記的エッセイ2010〜2022) 時々、母のこと、故郷のこと、自分のこと EP30
エピソード30
父が仙人か神様のようにしか見えなくなる
2020-07-04
今日は母の十三回忌の法事。
コロナで開催が危ぶまれていましたが、ケアハウスの所長さんから、
距離を取ること、マスク着用、人数、短時間を条件に許可が出て、
父を連れて大磯善福寺さんで法要、そして本人含め家族、親戚7名で、
平塚竹万で無事楽しく、美味しく会食することができました。
大雨が心配で、カッパやタオルなどいろいろ用意してたけど、
これまで同様父は最強の晴れ男伝説を更新してくれました。
きっと母も喜んでくれたと思います。
加筆:このnoteの表紙は、このときに大磯の善福寺さんの待合で姪が撮った写真です。
2020-10-16
7月の母の十三回忌以降、しばらく父ネタを書いていなかったのは、私自身がちょっと参っていたからだ。
コロナ禍でケアハウスへの面会は制限され、行きたくても行けない、それをなかなかわかってもらえない、電話だと意思疎通が難しくてケンカになる、行けないのを理由にラクしてないかと自分を責める・・・の繰り返しで、ストレスで体調を崩した時期もあった。
それが極まった頃、久々に訪れたケアハウスで所長さんとバッタリ。
「いや、もう、私もストレスが溜まっちゃって」と面会についての悩みを話したら、「もうwithコロナです。ご家族の方は細心の注意を払っていらっしゃるのがわかるので、いらしていただいて大丈夫です」と言ってくださった。
もうその一言だけで、どれだけ気持ちがスーッとラクになったことだろう。
もちろん、自分の体調は常に万全に整えておいた上でだけど、もう行くときにコソコソした気持ちを持つのはやめようと思いました。
ちょうどそんな8月の終わりには、このところ部屋で転ぶことが増えた父が、左の足腰を痛めてしまった。
横になる時間が増えて、ひどく弱ってしまったように見えた。
誰よりいろんなことに気づいて、段取りにうるさかったのに、あれは? これは? と電話してくることもなくなった。
あれば鬱陶しいが、なければないで寂しい。
だからまた、毎週一度は会いに行くことにしている。いつも短い時間だけど、「できるだけまた会いに来てくださいよ」という父。
9月はだいぶ弱気だったけど、10月に入ってからはリハビリのやる気も出て、
今日は「来週の土曜日はカラオケの日だから、<長良川艶歌>と<見上げてごらん夜の星を>を歌おうと思ってる」と、歌詞のコピーをご所望。
CDをかけたら一緒にすごく張りのある声で歌っていました。
ふと気づけば、本日10月16日は母の誕生日。生きていれば89歳です。
そして、もうすぐ父は93歳。
どんなに歳をとっても、具合が悪くても悪いなりに、毎日をよりよく生きようとする姿は素晴らしいと思います。
ということで、2週間ほど前、ちょうどリハビリの先生が部屋に来て、10秒間立つというリハビリをしていたときの様子を。
無駄遣いしすぎじゃないかいと思うほど「ありがとう」が口癖なのはいいことですね(笑)。
2020-12-11
12月17日に93歳になる父。
プレゼントは、今年もユニクロのウルトラライトダウンのベスト。
前回はネイビーのL(本当はSでいいくらいだけど、大きいサイズのほうが着やすいのです)だったのだけど、セーターの上からではなくその上に着る上着のまた上から着たい(その着方がケアハウスで流行ってるのだそう)と言うので、XL。
「グリーンがいいね」と喜んでくれました。
カメラを向けたらちょっと困りながらの笑顔。
夏、転倒が増えて足を痛め、一時だいぶ痩せて弱ってしまって、仙人か神様のようにしか見えなかったけど、最近はまた「リハビリの先生が、元に戻してあげますよと言ってくれてるんだ」と言うくらい、意欲が出てきてる。
「ご飯も頑張って食べてる」と。今日はお正月の段取りまで。
ま、この状況でどうなるかわからないけど、未来のことが考えられる93歳は素晴らしい。具合悪いなりに元気でいてくれて、ホント、ありがたいです。
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