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【ボイトレコラム】ウィスパーボイス系のシンガーがやった方が良い発声

声帯がしっかり閉じると息漏れしない力強いチェストボイス(地声)になるし、
閉じ切らないとウィスパーやハスキーボイス、つまり息漏れ声になる。
今って、男子も女子もこういう声が流行りだったりするよね。
中音域、曲でいうAメロあたりかな、そのへんをウィスパーで歌って、高音域はキレイにミックスに切り替える感じの歌唱。
私の若い頃なんかは(20年以上前)、中音も高音もわりとしっかり鳴らす感じの歌唱がメインで、メロディの動きも今ほど細かく色々動いたりせず、どちらかというとカラオケで歌いやすいメロディの曲が流行ったりした。
その時代ごとの歌い方や声の流行ってあるよねえ。

で、今はわりと息漏れ声の時代だから(自論)、換声点のあたりの声帯伸展がうまくいかない人が多くて、よくレッスンでもそのポイントをやったりする。
「中音域ではウィスパーを使いたいけど、高音部分はミックスボイス系のパワフルでハリのある声を出したい」
というオファーが多い。

声が高音に移動する時には、声帯を伸展させる必要があって、その時には輪状甲状筋という筋肉が必要になるし、通常の裏声だと声帯の筋肉は振動しないけど、ミックスボイス系は声帯筋を使ったまま振動させなくてはいけないから、まぁ簡単にいうと難しいわけです(笑)
そして最近の曲ってキーが高いからね!
大変。

今はSNSの時代。
バンドとかじゃないソロシンガー達は、ライブやらなくなってる子は多い。
「配信とかで活動してく」
と言う子は多いから、
「なぜ?」
と聞くと、
「お客さん呼べないからライブするのはお金かかる」
との理由。
ライブをするのにお金がかかるのは昔から同じだけど、
今は選択肢が増えたから、ライブをしなくても活動できるし、聞き手もライブに行くよりも手軽に音楽を聴けちゃう環境に慣れちゃってるわけだし、
人気が出るまではライブハウスで活動していけるソロアーティストって、なかなか難しいんだろうなぁと思ったりする。
そうすると「それ用の歌い方」に変わっていくよなって。
地声で張り上げる歌い方よりも、部屋の中で歌ってちょうどいいサイズ感のウィスパーボイスへと。

でもいつかはライブがあるわけですから、やっぱりある程度の声量は必要だと思うんですよね。
ちなみに、私のボイスサロンの生徒さんで、デビュー前のライブやったことがないシンガーたちには、ライブを想定した声量作りをするので、声帯筋を鍛えるトレーニングや、強い呼気圧に鍛えていくトレーニングなどもやっていきます。

レッスンってジムみたいだと思います。
プロのスポーツ選手が定期的に通って鍛えたり、時にはフォームチェンジしたりする場所。私のサロンの場合は、そこに診療所も付いていて、痛めた箇所を癒し、治癒するための治療もする。
いつか、『ボイスジム&ボイス診療所』という名前に変更したいと実は思ってる。





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