【ボイトレコラム】扁桃肥大による歌への影響はあるの?
今回は扁桃が大きいことが歌へどんな影響を与えるのかについてお話ししたいと思います。
まずですね、
「扁桃が大きいから思うように歌が歌えない」
ということはありません!ご安心くださいませ。
ただ、ですね。
扁桃が大きいと、様々な障害を引き起こす原因になることがあります。
実際に、私がトレーニングを担当するボーカリストの皆様にも扁桃肥大の方は結構いらっしゃいます。
「小さい頃から風邪をひきやすかった」
「イビキがうるさいとよく指摘されてきた」
「慢性的に扁桃炎にかかる」
「体調がすぐれない日が多かった」
ヒヤリングするとこういった症状に悩まされている方を多くお見受けします。
(もちろん例外はあるので、症状がない人もいらっしゃいます。子供の頃の方が影響は大きく、大人になると症状が緩和されることが多いということもよく言われております)
また、調べたところ、一般的はアデノイド(咽頭扁桃)肥大のほうが扁桃肥大よりも症状が出やすいみたいですね。
咽頭というのは、鼻腔のさらに奥の場所。
鼻づまりの為、口呼吸になってしまってしまうことから、いびきや慢性的な寝不足になってしまったり、ちょうど耳にも近いので難聴や耳鳴り、滲出性中耳炎を引き起こすこともあるのだとか。
それではいったいこれが歌にどうつながっていくのか?
すごく単純な話かもしれませんが、風邪を引いたらまず声は出せません。扁桃炎はもってのほか。
また、咽頭扁桃肥大の場合ですと、鼻づまりの声になってしまうため、鼻腔共鳴が使えません。このことから口腔共鳴に頼ってしまいます。高音など、鼻腔共鳴要素が欲しいところの高さでも、力任せに歌ってしまい、結果声が枯れやすくなります。また、定期的に風邪を引いてしまうことにより、歌に対してのモチベーションも保ちづらいですよね。熱が出ると動けなくなりますし。
こういった場合、不安やストレスを抱えているボーカリストさん達とは相談する時間を持つようにしています。
(もう一度お伝えしますが、扁桃肥大でも症状がなにもない方もいらっしゃいます)
皆様にお伝えするのは、日々できる喉のケアや、体全体の免疫力を高めることをお勧めすることが中心ですが、なかには手術をする方もいらっしゃいます。
実際に、去年の末に手術されたボーカリストさんがいらっしゃいました。
手術から数ヶ月後にトレーニングを再開し、月2回というペースで通ってくださいました。そして、約7ヶ月後にワンマンライブを無事成功に納めました!
一緒に見に行った方からは、
「声が前よりも太くなっている」
「裏声が伸びやかに出ていた」
というお言葉もいただけました。
なによりもご本人がとても頑張っていて、その間、アルバムのレコーディングをしたり、月に何本もライブをしたり、かなり精力的に音楽活動をされていました。
ワンマンワイブ当日、ステージで堂々と楽しそうに歌う彼女を見ながら、じーんと込み上げてくるものがありました。
というわけで、扁桃肥大による歌の影響は・・・
あります!!
(直接的に関わるわけではないし、全ての方に言えることではありませんが。)
ただ一つ言えるのは、手術をしたとしても、しっかり正しいトレーニングをすれば声は戻りますし、今回ご紹介したボーカルさんのように、以前よりも声が太くなったというような感想を持ってもらえることもあります。
また、ケアするべきは喉だけではなく、体も合わせて必要であることを知っておいていただけると良いかもしれません。
というけで、今回のブログは扁桃肥大についてでした。
「声の悩みを相談したい!」
という皆様、お気軽にトレーニングにいらしてくださいね。
それではまた。
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