七夕に、月を受けとる。
天の川から落ちてきた星屑を集めて、そうめんに浮かべて食べていたら、インターホンが鳴った。
「月のお届けです」
宅配伝票にハンコを押して、箱を受け取る。
大きな段ボール箱を開けると、中の空洞に、ほんのり青く光る月が浮かんでいた。
おそるおそる触ってみる。
熱いのかと思ったら、案外つめたい。
ひんやりした月を抱いて、書斎へ連れて行く。
天井からぶら下げると、月は少し赤くなった。時と場所によって色が変わるらしい。
月もひとりでは寂しかろうから、いずれ金星や火星なども届くといいなと思っている。
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