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「生きづらい世の中を、どう生きていくか」

「キツい登山をすると“早く家に帰りたい“と思うようになって、現実の辛さからちょっと解放されるらしいよ」

23時過ぎのリビングで、そんな話になった。ひどく些細なことでイライラしたり、気持ちが落ち着かなかったりするという同居人が、しきりに「山登りがしたい」と言っていたので、聞いてみた返事が冒頭の言葉だった。

旅行や温泉でリフレッシュもいいけれど、楽しい思いをすると辛い現実に帰りたくなくなってしまう。現実から離れて辛い思いをすることで、今の状況はまだ大丈夫、と思えるようになるのだと言う。

もし今、あなたの中に重苦しい気持ちがあるのなら、その思いをなくしたいと願っても難しいでしょう。「ないほうがいい」とわかっているのに持ち続けているのは、そもそも、捨てられるものではないということですから。

禅僧・南直哉の著書にはこんなことが書いてある。嫌な気持ちになったり、イライラしてしまうのはしょうがないこと。「考えるな」と言われても考えてしまうこと。しかし直哉は続けて言う。

「つらくても大丈夫」と思える生き方をすることはできます。

それが同居人の場合は、「山でも辛かったから、現実でも大丈夫」というロジックで自分を納得させ、自分が生きていく世界へ戻ってくる生き方なのだろう。


悲しみは消したいとか、もっと生きやすい世の中がいいとか、色々無くしてしまいたいことは多い。けれどそれが実際に無くなることは、現実を考えると結構難しいもの。だからこそ、「生きづらい世の中を、どう生きていくか」のアイデアが大事になるし、それは一人ひとり違う、自分なりの工夫が入るところなのかもしれない。

私の場合はなんだろう。よく考え、考え、考えつくして浮かんでくるポジティブな表現に救われている。多分「考えすぎること」が、自分の人生を生きるヒントになっているかもしれない。良くも悪くも。


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