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発達障害と思われる子どもの保育について思うこと。

去年、2歳児のクラス担当の時、明らかに多動だな、と思う子どもが居て、
それを個人がなってない!て事で担任は手を焼いていつも怒っていた。

私はフルタイムパートなので、フォローに回る事が多かった。

でも、その子が幼児になってようやく高機能自閉症スペクトラムと診断され、持ち上がった担任はそこで納得、理解し、その子が可愛く思えるようになったと話していたらしい。

その子は色鉛筆で塗り絵の場を設けても1人一本と決められた色鉛筆を全色集めて並べて眺めたり、色塗りではなく裏に殴り書きをしたり、全部持って一気に描いてみたり、とにかく周りとは違うことをした。

それを『遊び方が違うよ』と注意する保育士達の対応の中に居て、私はとてもとても違和感があった。

この子の感覚は皆とはまた違うキラリとしたものだった。


また他にもこだわりの強い子どもが居て、お着替えの時、ズボンの色が青が良いとダダをこねた。
しくしくと泣いてなかなかその違う色のズボンを履かない。
もうその子の引き出しにはそのズボンしかなく、私は少し気になるその子に園の青のズボンを貸してあげた。


ASDの子どもは強いこだわりを持つ。それをその子だけ特別扱いだと捉えるか、特性に合わせた配慮なのか、その子のわがままとして叱られるのか、なかなか着替えが進まないことも叱られるのか…。

普段なら格別自我を表面に出さないその子がしくしくと泣いてたその日は、きっと、余程のこだわりの部分が出たのだろうとその時わたしは思った。
勿論、担任には園のズボンを貸したことを報告した。

その時に、集団生活と個人の個性を重ね合わせるのは難しいですね、と2人で話したのを覚えてる。沢山の青いズボンを保護者の方に用意しておいてもらうしかないですね、と話した。


ASDの子は情報量が多過ぎるととても疲れやすい。昨日担当する1歳児クラスの子どもで少し気になる子をトイレに誘ったら、最近貼られたばかりの大きなゾウやゴリラの写真を観て、後退り…。トイレに行きたがらない子を誘導したくて貼ったのだろうがその子には逆効果。

4つあるトイレの中でコアラの写真のところに座った。でもそのまん前にはゴリラの写真…。
子ども目線に立つと、ゴリラにずっと見られてるような感じ。
その子はずっとゴリラを意識して、いつも出るはずのオシッコが出なかった。



現場ではまだまだ発達障害に対しての配慮がされていない。
最近では、小学校でも、黒板周りの掲示物(時間割とかクラス目標とか所狭しと昔は貼ってあった掲示物)を減らすところも増えて来てるみたい。
保育の現場でもそう言う配慮が進むといいな、と思う。
とは言え診断名がまだつきにくい乳児の頃は、保育士個人の配慮にとどまるだろうけど。認識してない保育園や保育士も多い。


この度私は、今勤めている保育園での色々な考え方のズレから転職活動をし、3ヶ所の保育園の面接を受けたけれど、どこもその私の「少数派の手のかかる子どもへの配慮」を大切にしたい想いがある旨を伝えて、面接の機会を頂き、内定を頂いたのだけど、どこの園長もそれについては、現状「課題」となっていて、具体的な加配の対策などは取れていない様子。それもそのはず、なかなか乳児期に診断名が付くことは少ない為、現場の保育士の力量に任されているのが現状だろう。保護者の方にも理解がないと、保護者対応も難しい。

担任となったら全体をまとめる必要もあるので、立場が違う。私が正規雇用ではなく、フルタイムパートを選んだのも、私がやりたい一人一人に寄り添う形が、事務作業などに追われてこの歳で体力的にも難しいのではないかと思ったから。


これからも自分のやりたい保育のためのポジションを探って行きたい。


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