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ベトナムのスタートアップに転職して一年後その1:日常生活編


早いもので、これから一年が経過しました。

ベトナム滞在の感想を、日常的~エンジニア的〜人生的なところまで振り返ってみます。その1では日常的なところを中心に。


ベトナムでの日常生活

感覚が新鮮だったうちにメモっておきました。在住者の人からしたら何を今更…と言われるかも。

・可処分時間が増えた

掃除:風呂トイレ含めて全て掃除・ゴミ捨してもらえるので、めっちゃ時間が増えました。

洗濯:そもそも夏物ばかりなので量が少ないし、時間もかかりません。ベッドシーツと枕カバーも交換されるのはとても嬉しい。

移動:圧倒的に楽。市内の移動はバイクタクシーで100円くらい、雨の日はタクシーで200~300円くらい。足腰が弱ります。

・安い・美味い・早い

服を買う:

ユニクロもありますし、高島屋ではよくセールしてますし、強いこだわりがなければ普通のものはどこでも買えます。どこかで見かけたことがあるデザインに酷似した服も爆安で売ってます。笑

買い物は一通り全て揃うので全く不満はない(ダイソーとか)ですが、ハイクオリティなものは探しにくい&割高感強く高価です。先進国クオリティを全てに求める人は暮らしにくいかも。逆に必要最低限だけあれば十分という人にはコスパ天国。

中国製のガジェットなどは日本で買うのと比較してかなり割安・多種類展開で楽しいです。

家に住む:

近年大きく値上がりしているとはいえ、家賃もまだまだ安いです。ジムプール付きの70m2 前後のコンドミニアムで$800くらい。一人暮らしなら$400~500。自分の家ではエアコンの修理やベッドマットレスの交換なども含まれてるので、見かけの値段以上にお得です。最近はコロナ影響で2割引くらいの相場感になってます。

食事する:

フォーなどの麺料理やチキンライスなどが一品150円くらい、ベトナム料理はだいたい美味くて安いです。ビールは店で一杯100円・スーパーで80円程度なので太ります。生搾りフルーツジュースやスムージーも100円くらい。

各国料理も充実。中華系の点心・北京ダックやそのローカライズ、近隣諸国料理としてタイ料理、フランス料理やそのローカライズ、とりわけ日本食は相当に充実してます。すき家で牛丼、牛角で焼肉食べ放題2000円、ラーメン屋は次郎インスパイアまで揃ってるので日本食も何も困りません。ローカルの寿司屋もかなりありレベルも十分です。

さらにデリバリーが日本より遥かに充実してます。いわゆるラストワンマイル配送が安い人件費とバイク網で支えられてるので、デリバリー代も100円程度。食事の準備が面倒な日はスマホでオーダー10秒、15分後にはお家に届きます。Grab、BAEMIN、Bee、Nowなどプレイヤーが多くクーポンも多数発行されており、ユーザーとしてはありがたい話。

食材の配達も発達しており、冷凍の薄切り肉(フランス住んでた時は高価で入手できなかった…)が宅配してもらえて、豚肉 100円/100g 程度なので自炊が捗ります。いわゆるラストワンマイル配送に苦労がないのが日本と全然違いますね。


中でもKameMart(カメマート)は素晴らしいサービス。2020年4月に自社がローンチした、野菜や日常消費品の宅配アプリです!(宣伝!)
ホーチミンの市場やスーパーでは、虫食いや傷んだ野菜が散見されたり、在庫切れで買えないといった点が悩みどころですが、高品質な野菜がスーパーよりも安い価格でデリバリーされるので、もう全て解決です。生食可の卵なども美味い。納豆、醤油、餃子など冷凍食品、カレールーやら日本食材も相当揃ってます。
ホーチミン在住の皆さま、ぜひ!(システムトラブルなどあればTwitterでご連絡くださいっできるだけ早く対応します)

あとはグルメガイドアプリ『ちぇりまっぷ』の作成を個人でお手伝いしてたりします(これも宣伝)。

ベトナムでフードアナリストとして活動されているちぇりさんのブログのアプリ版で、記事閲覧のほか、紹介されているレストランをマップ上から探すことができます。無料でお使いいただけるので、こちらもぜひ使ってみてください!!

支払い:

意外なことに、銀行や支払い系のアプリが充実してます。銀行アプリの送金の使い勝手は日本よりいいですね。QR支払い系はまだまだ群雄割拠という状態で、5つくらいのアプリがそれぞれ縄張りを持ってる印象。これから統廃合になるのでしょうか。

ホーチミンで生活始めるまでのメモ(初心者向け)も記事にしてたので一応リンクを。


・インフラ面はまだまだ発展途上

電力。発電が弱くて来年は電力不足が現実味を帯びてるらしい。半年で3回くらい停電したかな?いずれも10分程度でしたが…送電線はどこもなかなかリスキーな感じに整備されてます。

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空中でたごまった電線の図。これが町中に浮いてます。切れ端がぶら下がってることもしばしば。

大気汚染;

コロナ前はAQI150前後(空気質指数、150~はUnhealthy)な感じでした。バンコクよりはマシみたいですがなんとも。バイクの排ガス規制が緩いらしいです。地下鉄開通は延期を繰り返してますが、そろそろ開通しないかなーと期待。

運転マナー:

逆走、突然のUターン、歩道を使った追い越し、信号無視などバイクの機動力を生かした荒い運転が怖いですね。運転技術が高いので人を上手に避けてくれますが、死者の数はそれなりにいます。5年連続で減少とのことですが、道端で動かなくなってる人はこの一年で数人見かけました。

医療レベル:

外科内科問わず、ある程度重症の場合はシンガポールやタイに搬送されるらしいです。ゴザに雑魚寝で入院するとかしないとか噂で聞いたり、できれば病院にはかかりたくない…

そのほか

ネットの通信速度。カフェではどこでも繋がって10~50Mbps。海外ケーブルがよく損傷しがちなので海外サイトとの通信がもたつくことがちらほら。
あと道路の排水システムが弱くて、雨降ると道路冠水がちらほらあるのは衛生的にもよくないですね。道路も工事が追いついてない感じで、陥没してたりします。1~2週間くらいすると直ってます。

穴が開いた道路にホウキが刺さってるなども趣がある。

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・ベトナム人は大体いい人

親切です。急に食べ物を分けてくれたり、トラブルになった車をみんなで押してたり、ポケットからこぼしたお金拾ってくれたり。言葉が話せなくても冷たくされることはほぼないです。話せるとなおフレンドリー。

そしてエネルギッシュ。会社の同僚を見ててよく思うんですが、ベトナム人には高校の教室の休み時間を彷彿とさせる何かがある。若さ?テンション?幼さ?自分が年取ったというオチ?


このあたりの感覚的な部分はこちらの本が詳しかったのでおすすめです。ご興味あれば。(Unlimitedで無料で読めます)


個人的な雑感

・この一年のざっくりムーブ

12~2月:仕事のキャッチアップと生活の構築で手一杯。

3~5月:コロナでいろいろわちゃわちゃ。

6~9月:落ち着いたので、飲み会、旅行、個人開発、引越しなど。

10月~:語学学校やイベント参加など新しい活動の模索。

・酒を飲まなくなった

日本にいた頃はだいたい週に2回は飲みの用事があり3割の確率で泥酔、用事がなかったら家でワインのボトルを空けていたことを思い出すと信じられないですね。今ではビール2缶で寝落ちします。交友関係が減ったのもあります、コロナのせいでイベント系はかなり減りましたし。

結果として、やりたいこと・やるべきことに集中できている感は以前よりも強いです。日本にいた頃は平日はおおむね帰宅して寝るだけの日々でしたが、ジム行って料理してドラマみてちょっと個人開発までが毎日できるのはすごい。

・国内旅行が安い

ダナンに行ってきたとき、飛行機往復と宿泊が合計で一人当たり1万円以内でした。国際線が復旧して混雑し始めるまでに、主要なところを全て回ってしまいたい。この一年でムイネー・ダラット ・ダナン・ホイアン・ハノイ(ハロン湾)とメジャーどころは廻ったので、サパ・ニンビン・ブンタウ・ニャチャンや国立公園系が次の候補地です。

全然知らなかったけどベトナムにはハイレベルな観光地がやたら多い!国立公園や洞窟系もバリエーションが多いですね。しかし温泉はない。

ダナンの海。

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ハロン湾めっちゃ贅沢でした。


・銭湯や温泉にいきたい

温泉がないんです。代わりにマッサージ行ってますが、こればっかりは違う。別府、水上にもう一度。

ホーチミンには幸い、さいごんの湯やGolden Lotusなどいくつか湯船に浸かれる場所があるのですが、気候や温度や成分や情緒的な何かが足りない感じがします。
ビンチャウ温泉というのが近場にあるらしいので今度行ってみます。

・本を読まなくなってる

これは危機感しかないのですが、電車通勤がバイクタクシー通勤になって本を読む時間が激減しました。代わりにPodCast聞こうとしてみたもののバイク通勤だと聞き取れない。

・思考力が衰えている

これはかつてフランスにちょっと住んでた時にも思ったのですが、外国語使う時間が増えると日本語運用能力が落ちます。特に書く力や話す力。とはいえ英語で思考できてるわけではなく、ただ頭が悪くなってる状態です。頭使う記事を書いてリハビリしたいです。

・ホーチミンの遊び方がまだよくわかってない

日本と比較したらどの国でもある程度そうかもですが、エンターテイメント的な遊ぶところが少ないので探検中です。自宅で映画やドラマの視聴環境をばっちり整えたので、困ってる訳ではないものの。トレッキングする山はないし外歩きするには暑すぎる。バイク買ってツーリング?飲み?

・友人・知人が少ない

そもそも得意な方じゃないけど、より交友関係作りの難易度を感じます。昔は周囲の友人が人を呼びまたその知り合いが〜というサイクルを作ってもらってたんだなぁと痛感。

しばらく外部発表とかしてないので、IT周りの人とLT会とかしたい気持ちも少しあります。ゲハゲハ言いながら赤提灯で飲むやつもめっちゃしたい。

・ベトナム語

最低限の語彙だけ覚えて放置状態だったので、最近語学学校に通い始めました。最近やっとバイクタクシーのドライバーに自己紹介が通じるようになりました。

中国語や日本語に近い部分(イメージとしては、中国語から漢字を無くしたピンインだけにして、声調のバリエーションを倍に増やした感じ)もあり日本人は勉強しやすいはずですが、発音が難しすぎる。

ある程度どこでも英語を話してくれるので、日常では甘えています。

・外国人とは体験がシェアされてない問題 = 雑談コスト

『昔あった事件』『最近流行った○○』のような、人と会話するときの前提共有知識が全然共有じゃないので、雑談の説明コストがでかいですね。日本に帰るとそれはそれで前提共有知識が更新されてなくて雑談するのが大変になってそうな気がします。

外国人するからには、意識的に世界のニュースなど追うようにはしています。エンジニアだと技術やガジェット系の会話が万国共通なので楽。

・日常生活の情報収集のコストが高い

周囲の人や昔からの友人から自然と得られていた情報源がなくなってしまったので、RSSフィードなど使って一通りの主要メディアのニュース記事を収集するなど工夫してますが、十分に入手できているわけでは全くなく難しさを感じます。知人が足りない。

遊ぶ場所、病院の行き方、保険の申し込み方、買い物の場所、旅行の下調べ、etc。何か新しいことをしようと思うと必ず事前調査が必要になるので、フラッと思い立って○○をする難易度が高い。

移住関係の情報調べると、移住しました!までの情報はそこそこ多いですが、そのあとどうした?みたいな情報が非常に少ないです。このへんは移住者どうしでのオフラインの情報交換が主なツールなのかなぁと想像。

とくに移住者の持ってる情報は、ステータスが違うとかなり参考にならなくなるので、その点も調査を難しくしてます。駐在有無、現地夫・妻の有無、子供有無あたりのステータスが近い人の公開情報を探すのに苦心。

一方で、流行りのビジネス書みたいな『あまり興味はなくて実益もあるかわかんないけど読まないと焦る』ような情報が減って、アウトプットにフォーカスできてる感もあります。功罪ありそうですが2年後くらいに自分がポンコツになってるかどうかで結果がわかると思います。

あと、Jetroの凄さを思い知りました。こういったレポートは本当にためになります。

・人生設計力が大事

結婚、育児、キャリア、などなど注力テーマは人によって異なりますが、人生設計力が非常に問われます。何年後にどこで誰とどんな感じで何して過ごすんだっけ?の自由度が跳ね上がったので、ある程度骨子を明確にしないと気がついたら何もせずに終わっていた、なんてことになりそう。ホーチミンとか常夏の国だと特に季節感がないので人生の早送り感が出てしまう気がします。

一方で金か仕事がなくなると詰みなので、本当にこの点だけは気をつけないといけません。大怪我や病気はいずれかの喪失につながるので詰みがち。普通に生活してる分には意識すること少ないですが、日本で生活するより詰みポイントが多いなーと思います。セーフティネットがない部分を、気合と努力と運でカバーする感覚。

年齢意識したスキル付けないとエンジニアはポジションが先細りして詰んじゃうなーと思ってます。競争相手が若くて勉強熱心な現地人だとなおさら。好きなことやれるように頑張ります。

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スタートアップ入ってみた感想、キャリアや今後長期的にどないすんねんみたいな話。

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