見出し画像

好きな本と私1#恋愛好きな貴方へ(フランス文学)

こんにちは、こんばんは。私です。
今日は「好きな本と私”1”」ということで、気ままに書こうと思います。
気づいていらっしゃる方もいる通り、1なので続くのではないかと、思います。

私は英文学科卒でして、その名のとおり、専攻は英文学です。
私が出会った本で好きだったのは、ジェーン・オースティンや、メアリー・シェリーでした。ちなみに今回は、英文学については書くつもりはなく、一般教養科目として履修して興味を持ったフランス文学を紹介します。

(でもね、これまでの作品で私が一番心を奪われたのがメアリー・シェリーのみんなご存知「フランケンシュタイン」でした。今思えば、昔も今も自分の存在意義に悩まされていて、そういう意味じゃ、どの年代の人も同じ悩みをずっと抱えて生きているのよね。それはまた紹介できればいいなー。)

さて、私が初めて読んだフランス文学がボヴァリー夫人でした。
あらすじはですね、

「田舎の平凡な結婚生活に倦怠した若い女主人公エマ・ボヴァリーが自由で華やかな世界に憧れ、不倫や借金地獄に追い詰められた末、人生に絶望して服毒自殺に至っていく物語である。

しかも、死にきれないのよ、「あらら、、、。」って感じ。
でも一方で、すっごい人間らしくない?ていうのが私の感想だった。
私たちの日常って、物語で書くほどに美しいことばかりじゃなくて、欲望にまみれた人生な気もする、、、?私だけかな(笑)。人間ってなんだかんだ貪欲でしょう?だから、ボヴァリー夫人にはどことなくリアリティを感じて、面白いって思えた。

映画好きな人なら知っているかもしれないけれど、「ムード・インディゴ」はフランス文学。ボリス・ヴィアンの「うたかたの日々」(日々の泡かな?)が原作。この映画、とっても美しいのと、主演女優のオドレイ・トトゥが個人的にめちゃくちゃ好きなので、好きな映画がではあるのだけど、ラストはめちゃくちゃ胸クソ悪い(言葉悪いけど)。
簡単にまとめると、主人公は男性で、「恋愛する→資産食い潰す→嫁が病気にかかる→医療費のためにも仕事する→役に立たない→死の宣告人みたいな仕事する→自分の嫁に宣告する→お金がないため普通の葬儀ができず、湖に棺桶を投げ込む」みたいな感じ。つまりは、資産にたよって生きてた人が恋愛して、お金に困った時に動いても時すでに遅し、みたいな。これも人間らしいと思った。ものごとそんなうまくいかんぞーって感じ。
ちなみに原作は翻訳するのもすごく大変だったという世界観をもっていて、本で読んでいると私は本当にちんぷんかんぷんだったから、映画がおすすめ。(ちなみに、そもそも私は本を読むのがそんなに得意ではない笑。)

さて、今日紹介したいのは、上記2作品ではないのですよ。
いずれも恋愛が絡んでいるので、「恋愛好き」な人には読んでも楽しいかもしれないけど、「あんっ、胸がきゅんとする」って作品ではないのです。次からですね。(仕事だったら、こんな文章の書き方許されないぜ)

フランス文学が好き、そんな理由で手に取ったわけではなく、むしろこの本がきっかけでフランス文学に興味があるかもしれないと思った本があります。
27才の時、フランソワーズ・サガンの「ブラームスはお好き」という作品にであったわけです。正直手にとった理由は、なんかタイトルにグッときたのと、サガンの名前にもグッときたからで、先に述べたとおり、私はそもそも本を読むのが得意でなく、暇つぶしになんか一冊と思い偶然買った本でした。
今回はその本を紹介するっていうか、その本が本当に好きって話で、苦しい恋愛をした人には、共感さえうむような作品。↓

サガンは正直なところ、普通に有名な作家さんだと思います。私が知らなかっただけで。特に↑の本よりやっぱり有名なのは「悲しみよ、こんにちは」そう、昨年結構Tシャツとかにプリントされていた「Bonjour Tristesse」です。

これ、みんな知らないかもだけど、サガンの本のタイトルだよ。(そうだよね?)しかも、結構価格安いで、サガンファンとしては欲しかったなー。。これをデザインに採用した人は、なかなかいいセンスだと思ったほど。何はともあれ、サガンの「悲しみよ、こんにちは」は名作でして、あっという間に読めてしまいます。

いけないいけない、脱線しましたが、
サガンの本といえば、恋愛がテーマなものが多くというか、ほぼそれで、純愛というよりか、より現実的な恋愛で、「不倫」とか「浮気」そして、ハッピーエンドではない感じな作品が多い。
恋愛好きな人は知っているとおり、恋愛はゴールインしないかぎり、失恋がつきもので、大体本気で苦しいわけよ。サガンの作品はそう言う人におすすめ。
なぜ、私が「ブラームスはお好き」が好きなのかを紹介する前に、簡単にあらすじを紹介すると、

若くして1度離婚した後、現在は装飾デザイナーの職につき経済的に自立した39歳の独身女性ポールが主人公。互いに束縛せず、同棲もせず、お金の貸し借りもなし、という約束のもと、同じ独身の中年男性ロジェと交際を続けてきたポールはある日、若く心優しい25歳の青年シモンに出逢う。ポールもロジェと同じく何をしても良いという約束だが、ロジェの気まぐれさに寂しさを感じ、でも約束のため言えず孤独だったポールは、ロジェを愛しながらもいつしかロジェとは正反対の繊細なタイプで、自分に積極的にアプローチしてくるシモンに少しずつ惹かれていく。時には寂しさに涙しながらも長い関係を築いてきたロジェか…、裏表のないストレートな気持ちで自分を求めて来る年下のシモンか…、ポールの心は揺れ動く。それまでは仕事中心で他の若い女達と浮気をし、ポールをあまり省みなかったロジェは、シモンの存在を知り焦る。だが、約束で深入りせず、今の若い浮気相手のメージーとも関係を続ける。やがて、ポールとシモンは同棲を始めるが…。

あらすじのとおりの内容なのだけど、内容ももちろんですが、描写がまじで共感と涙の嵐でした。好きなシーンがいくつもある。その一つをご紹介。

ロジェ(主人公の彼氏)と食事に出かけたポール(主人公)、軽くお酒をひっかけたあと、ロジェはポールを彼女の家まで送っていくわけです。でも、ロジェはポールの家に上がるわけでもなくキスして帰るわけです。その後のポールのお家での描写が、「まじで共感」なのです。以下、本文。

「ちかごろ、彼は彼女の部屋まであがらずにお休みをいうことが多くなった。彼女のアパルトマンはがらんとしていた。彼女はベッドの上に腰をおろす前に、きちんと身のまわりのものを片づけた。両眼に涙をいっぱいためて...。彼女はひとりだった、今夜もまた...。残された人生は、決してシワになることのないシーツと、長わずらいの単調な静寂さにも似た孤独な夜々の、いつはてるともしれぬ連続のように思えた。彼女はベッドのなかで、そこにだれかの暖かいからだがあるかのように本能的に腕をのばした。彼女はだれかの眠りをさますまいとしているように、ひっそりと呼吸をした。一人の男か、一人の子供、だれでもいい、彼女を必要とする人、寝つくときと目ざめのときに彼女のぬくもりを必要とする人を。しかし、だれもほんとうに彼女を必要としている人はいなかった。...」(サガン・朝吹登水子訳(1961).ブラームスはお好き 新潮社. 1-14)

ああ、わかる。読んだ時はそういう感想だったのと、ちょうどその時の恋愛がそんな感じだったのかも。けど、この描写は恋する女性の葛藤をすごく抑えていると思った。サガンの作品はもちろんだけど、サガンの作品のほとんどを翻訳した、朝吹登水子さんの翻訳にどうやら見せられているのかもって思った。
そんなこんなで、好きな描写が多い作品が「ブラームスはお好き」で、苦しめな恋愛や、私のような年頃なレディにはとてもグッときてしまうと思います。

最終的にポールは「もう、私、オバーサンなの」っていって、シモン(25)とお別れするの。
ポールは39才で決してお婆さんではないし、やはり仕事に一生懸命な女性はとても素敵だって、対外的には思うけど、やっぱり当事者的には「もう若くないのよ」っていう気持ちは拭えない乙女心もめっちゃよくわかるのです。まだ30才な私ですらそう思うのです。「私、もう若くないのよ」って思うことたくさんあるもん。見た目の問題でもなくて、多分社会的な概念?のせい。30才になるころには、女性は結婚して、子供を持つべきみたいな。これは日本にかかわらずどの国でもあるみたい。(フランスもあるみたい)

サガンの作品は、どの作品もこういった女性の繊細な思いを上手に捉えているものが多くて、恋愛好きはもちろんだけど、女性に向けられた概念に苦しむ人たちにもすごく共感できる内容なのかも。
(決して明るい気持ちになれる作品って意味ではない)

アンド、先に述べたとおり、私の知るフランス発な作品はすべてリアリティにあふれていて、人間の美しくない部分がたくさん見える気がします。だからこそ好き。もちろんそんな作品ばかりじゃなく、自分がそういう傾向にとらわれているだけかもだけど(笑)

まとめかたが下手だけど、何か本読みたいな、でもわからないなーって人には、さくっと読めるので、是非手に取っていただきたいです:)
※ハッピーエンドが好きな人にはおすすめしません

おしまい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?