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老GUY

「ミゲル君、俺の時代は〜」

おいおい勘弁してほしい。
びっくりし過ぎて中央揃えにしてしまった。入社して半年、本当にそんなこと言う人いると思わなかった。「俺の時代は〜」なんて言う人本当に居たのか。SNSとかネットでしか見たことなかった。あなたが支配する時代があったのかい?始皇帝なのかい?総裁だったのかい?
生で聞くとうんざりと言うよりびっくりが勝ってしまう。

そんな事を思いながら定年退職後再雇用組で僕の教育係になったコレナガさんの話に耳を傾ける。
コレナガさんは大ベテランで定年前は偉い人だったらしい。若い頃はバリバリ仕事しながらバリバリ遊んでたらしい。多方面で派手に遊んでいた(意味深)。
今では多方面でバリバリ仕事を新採の僕に教えてくれる。別に変な事をされてるわけではない。

ただ最近、仕事以外の所で日常生活についての話とかで覇王ムーブ(「俺の時代には」って言うからそう言うもんなんでしょうよ)をかましてくる。
しかもダンディな声でだ。

話が少し逸れるが皆さんは老害って言葉自体ご存知でしょう。僕はこんなイメージです。

大学のOB、アルバイト先の年長者、色々な場面で出くわします。たまに良い事言ってくれていたり大事な事話してくれたりしているのは確かだ。こういう時、後輩達は基本「なんでわざわざ口出しするんだよ、来るんじゃないよ老害」と一蹴してしまいます。「親の心子知らず」的要素はあると思う。そして、基本悪気は無いんだと思う。基本的には。

今になってありがたく感じる方もいれば、今もなお腹の立つ奴だと思われる方もいるような存在。それが老害でございます。というか、前者はどちらかと言うと「老益」って感じになるのか。

話を戻そう。
「ミゲル君、結婚しないのかい…?家庭は持ったほうがいいと思うけどなぁ僕は…」
「ミゲル君、出張の次の日は早く仕事に来た方が良いと思うね…もう少し申し訳なさそうな感じで…」
「ミゲル君、もうちょっと人付き合いを増やそうぜ…」

どれもワイングラス片手に話してそうなのだ。良いよ。良いと思う。なんかもっとムカつく感じの人沢山いるのに比べたらイケてるおじさん感で話してくるだけ良い、聞いてる分は。ただ何というか、なんか違うんだよなぁ。

仕事の話で怒られるのはわかる。出張の次の日にちょっと早めに来るくらいはしますとも。ただ「申し訳なさそうにする」って何なんだ、みんな出張行った後日出勤した時とか申し訳ない感じ無いけど、新人だからって話なのかい?
僕だけ「恥の多い生涯を送ってきました」みたいな顔で出勤かい?この前の「出勤の始まりは元気な挨拶が一番」って僕の肩を叩きながら言ってたのはどうすればいいの?割と声張って挨拶してたんだけども、一度に二つの事こなすの苦手だから、明日から情緒不安定なアニマル浜口みたいになるけど良いんだろうか。

それに「結婚しないのかい」はもういよいよ余計なお世話だよ、確かに僕もお年頃さ。
でも誰もがそこまで結婚を視野に入れて人生送って無いんだよ。ちなみにこの事ではこの前友達に怒られたよ。あなたまで僕を怒るのかい?
そんな事言われたら余計人付き合い減らしたくなるよ、逆効果だよ。

ただイケてる感じで話す上、仕事のフォロー、指導はしっかり支えて貰っているわけだから「老害」というよりは「老益」寄りではある。
ただ、日常生活についても色々言ってくるのが、うーん、どうもなぁ。

こんな感じで文句言ってるけど嫌いなわけでは無いのだ。凄くお世話になっているのは確かである。

ダンディでイケてるしそんなにムカっとは来ないそして頼り甲斐のある存在。ナイスガイだ。だけど時折覇王ムーブをかましてくる老害。そう、それは「老GUY」なのかもしれない。

皆さんの近くにも老GUY居ますでしょうか。

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