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2021年12月31日〜大勢での年越し

またまた早朝から除雪作業
年内にここまで降るのは久しぶりだ
除雪作業を終えて風呂に入る
妻が起きてきて朝食の準備を始めた音が聞こえる
息子も次女も起きてこない
風呂を出て母と妻と3人で朝食を食べた

食後はまたリビングの定位置に座る母
午前中はテレビを視て過ごしていた
大掃除も粗方終わったので私も一緒に視ていた

昼食は長崎ちゃんぽんを作った
息子と次女も降りてきて5人揃っての昼食だった
たわいの無い事で笑い合う妻と子供達
話が聞こえない母は無表情で交互に顔を見ていた
この大勢の中の孤独がストレスの原因の一つだ
自分が笑われているんじゃと疑心暗鬼にもなる
中国人のように全員大声で話すわけにもいかない
時折耳元で通訳するくらいしか出来ない

昼食後もまたリビングの定位置に座る母
今度は間違い探し用のiPadを持っていた
早々にそれに取り掛かる
たまにどうしても見つからないと応援要請がくる
『悔しいねぇ』と顔をほころばせる時も出てきた
耳鳴りは相変わらず大きなモーター音
それでも心の方は安定しているように見える
私は応援要請に応えながらTverで相棒を視ていた

少し前に妻の叔父が亡くなった
その遺産相続の話が妻の実家で予定されていた
義姉が市場勤めで大晦日しか休めなかったからだ
仲介している信託銀行の担当者も大変だ
その集まりが夕方5時からだった
私はこの日2回目の除雪を始めた
その間母はずっと間違い探しをしていた

7時頃に妻が帰ってきた
出かける前に鍋の準備がしてあった
早々に鍋をしかけて配膳を始めた
珍しく息子と次女も出かけていない
5人揃って紅白を視ながらスキヤキを食べた

夕食後もリビングで紅白の続きを視聴
妻と次女はキッチンで鬼退治の番組を視ていた
息子は自分の部屋へとサッサと引き揚げた
『若い人の歌は分からないねぇ』と母
母にとっては歌詞を読むだけの紅白だ
ほどなくしてまた間違い探しを始めた

特定の歌手になると妻や次女が駆けてくる
キッチンに居てもリビングの音が聞こえる
聞こえない母はそれをキョトンと見ていた

紅白も終わって11時半頃母が我に返る
『あらもうこんな時間 寝なくっちゃ』
『もう少しで年越し蕎麦を食べるから』
母を押し留めて妻と年越し蕎麦の準備を始めた

5人揃って年越し蕎麦を食べてカウントダウン
母にとっては大勢での年越しは久しぶりだろう
それが当人に喜ばしいことかどうかは判らない
しかし1人の正月は想像すると物悲しい

しばらくして母は寝室へ行った
そしてすぐに戻ってきた
『間違えて薬を2回飲んじゃった』
『大丈夫かねぇ』
精神科で処方してもらったSSRIだ
今はまだ初期段階で非常に弱い処方になっている
2つ飲んだところで問題はないだろう
『大丈夫だよ、おやすみ』私は答えた

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