ポンペイの夏、イタリアらしさが足りないまちかどで発光する猫
朝5時、サマータイムのポンペイでは、あたりはもう朝の空気に守られていて、観光客らしき人や土産屋の店主など、すでに人々が街を闊歩している。
昨夜の赤ワインによる小さな頭痛を抱えながら、遺跡に沿って歩き、ロザリオの聖母の巡礼聖堂の大きな入り口に腰掛けてカメラの設定をいじる。
もう5年にもなるのだ。祖父の遺品として、このカメラが私のものになったのは。ストロボ部分にプリントされているFUJIFILM fine pix s6000fdと言う文字もところどころ削れている。15年前の機種