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読書日記「読みたいことを、書けばいい。」

最近読んで、最も感銘を受けた田中泰延の本。これを読んで、私は文章に対する意識が180度変わった。

作者について

1969年大阪生まれ。早稲田大学第二文学部卒。1993年株式会社電通入社。24年間コピーライター・CMプランナーとして活動。2016年に退職、「青年失業家」と自称しフリーランスとしてインターネット上で執筆活動を開始。映画・文学・音楽・美術・写真・就職など硬軟幅広いテーマの文章で読者の熱狂的な支持を得る。「明日のライターゼミ」講師。『読みたいことを、書けばいい。―人生が変わるシンプルな文章術』が初の著書
-Amazonより引用-

内容

序章 なんのために書いたか
第1章 なにを書くのか 〜ブログやSNSで書いているあなたへ〜
第2章 だれに書くのか 〜「読者を想定」しているあなたへ〜
第3章 どう書くのか 〜「つまらない人間」のあなたへ
第4章 なぜ書くのか 〜生き方を変えたいあなたへ〜
おわりに いつ書くのか。どこで書くのか。

感想

文章を書くということについて、試行錯誤していた自分にとって、この本はまるでバイブルのように感じた。

レイアウトも美しく、とても読みやすい。キチンと文字がデザインされているのに感動した。

一番感銘を受けたのは、序章にある「自分が読みたいことを書けば、自分が楽しい」ということ。そこにはテクニックは必要ない、ということだ。

「自分がおもしろくもない文章を、他人が読んでおもしろいはずがない、だから自分が読みたいものを書く」

この言葉に、私は雷に打たれたような衝撃を受けた!ああ、そうだ、確かにそうなんだ。自分が読んでいて、おもしろくない文章なんて他人が読んでくれるわけないではないか?

読んでいて、笑い転げたのは、就職の時のエントリーシートだ。普通は自己PRのため、何行も自分について書くだろう。だが、田中泰延は、ほとんどの項目を、わずか1、2行で終わらせている。

採用担当者は字がだらだらと多いエントリーシートを読むのに疲れている。だから、一言で、相手が会いたいと思うようなキャッチコピーを書くことで、逆に相手を惹きつけている。

エントリーシート一つでも、ちゃんとキャッチコピーとして捉えるなんて、本当にこの人は上手いなあ!と思ってしまった。

全体を通して思ったのは、真面目な話をしながら、所々に光るユーモアのセンス。もう一度読みたい、と思わせるような文章だ。

そんな田中泰延のすすめる本は、文章術の本ではなく、全て、優れた文学や歴史小説ということだ。

私もハウツーものの本はあまり好きではないし、ほとんど買わない。文章のすばらしさを教えてくれるのは、ハウツーものではなく、文学や歴史書だと思っているからだ。

この本を読んで以来、自分は読みたい文章を書けているのだろうか?と自問するようになった。

いつか、私もこんな風にエスプリの効いた 文章が書けたら、と心から思った。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!





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