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読書日記「NO RULES(ノー・ルールズ) 世界一『自由』な会社、NETFLIX」

私は以前から日本のドラマよりNetflixのドラマが好きだった。新聞でこの本が出ていることを知り、創業者がどのように経営をし、成功に導いたのか?ということに興味を持ち、この本を読むことにした。

作者について

リード・ヘイスティングス:
Netflix共同創業者・会長兼CEO
1997年にNetflixを共同創業し、エンタテインメントを一変させた起業家。1999年以降は同社の会長兼CEO。1991年にピュア・ソフトウエアを起業し、1997年に売却。この資金を元にNetflixを創業した。2000年から2004年にかけてカリフォルニア州教育委員会委員。現在も教育関係の慈善活動を続け、DreamBox Learning、KIPP、Paharaの取締役も務める。
1983年ボウディン大学卒業後、1988年スタンフォード大学大学院にて人工知能を研究し修士号(コンピューターサイエンス)取得。大学卒業後から大学院入学まで、米政府運営のボランティア組織、平和部隊の一員としてスワジランドで教員を務めた。

エリン・メイヤー:
INSEAD教授。ハーバード・ビジネス・レビュー誌やニューヨーク・タイムズ紙などにも紹介された『異文化理解力』著者。2004年INSEADにてMBA取得。1994年から95年にかけて平和部隊の一員としてスワジランドに滞在。現在はパリ在住。

-日本経済新聞出版より引用-

内容

Section1 「自由と責任」の文化への第一歩
第1章 最高の職場=最高の同僚
第2章 本音を語る(前向きな意図をもって)
第3a章 休暇規定を廃止する
第3b章 出張や経費の承認手続きを廃止する

Section2 「自由と責任」のカルチャーへの次の一歩
第4章 個人における最高水準の報酬を払う
第5章 情報はオープンに共有
第6章 意思決定にかかわる承認を一切不要にする

Section3 自由と責任のカルチャーの強化
第7章 キーパー・テスト
第8章 フィードバック・サークル
第9章 コントロールではなくコンテキストを

Section4 グローバル企業への道
第10章 すべてのサービスを世界へ!

感想

最初に驚いたのは、業績が悪化した際に、ドラスティックに従業員の首を切ったこと。現在では日本企業でも当たり前に行われているのだが、Netflixの場合はそれが更に徹底して行われている。少数精鋭のスタッフにすることで、優秀な人材は更に刺激し合い、真価を発揮できる。

凡庸なメンバーがいると、効率が下がり、議論の質が下がり、社員が転職を考えるようになるなど、マイナス面が多い。

最高のスタッフだけになった職場では、更に前向きな意図を持って、率直な意見、フィードバックを伝えて、きちんと話し合うということを実践した。

フィードバックによって優秀な人材は以前にも増して優秀になり、会社全体のスピード感も上がる。社員がオープンな対話をするようになると、上司が社員の仕事を細かくチェックする必要はなくなる。

フィードバックが成功すると、次は休暇規定を撤廃した。休暇をなくすためにやったのではない。社員に自由と責任を感じさせるためである。

なぜなら、Netflix史上最高のイノベーションの多くは社員の休暇中に生まれた。休暇を取ることによって、クリエイティブに思考し、仕事を別の角度から見直す心理的余裕が生まれるからである。

繁忙期に休暇を取ることで、トラブルも経験するのだが、条件を設け仕事に支障がないような状態で休暇規定撤廃を上手く運用した。

出張旅費と経費の承認プロセスを廃止することで、社員が事業にプラスになる判断を迅速に出せるようになる。悪用する者がいないように、これらにも条件を付けて、支障がないように行う。

最も日本企業には真似できないだろう、と感じたのは、最高のパフォーマンスができる新しい社員の雇い方である。

既に優秀な人材がいるNetflixであるが、そうした社員の何倍もの実力がある社員をスカウトする。スカウトしたい社員には最高の給料を提示し、そのため、今まで働いていた社員をクビにするという荒業まで行うのである。

ただし、世界中に進出するという中では、そうしたNetflix独自のカルチャーも修正しなくてはならないこともあるようだ。特に日本という異質な文化では、上司相手に意見をするなどということは、相当大変なことのようだ。

日本に赴任してきた上司が、それを日本人スタッフに要求したところ、彼女は泣きだしてしまったらしい。私でもそのようなことに遭遇したら、泣くかもしれない。

Netflixのカルチャーというのは恐るべしと言わざるを得ない。私が雇われることは間違ってもないであろうが、もし社員だったら常に成果を出さなくてはいけないということで、かなりストレスを感じただろう。

しかし、このコロナ禍での産業構造の変化や、AIの台頭など、社会のイノベーションは既に始まっている。

これからの世界は、Netflixのように、常にイノベーションし続けている企業だけが生き残っていく、ということを想像してしまう。

今後の私たちはどのように自分の価値をあげていくべきなのか?ということを深く考えさせられた。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


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