家族のかたち

姉が久しぶりに家にやってきた。
彼女が結婚して家を出てからもう何年になるだろうか。

いつもは娘2人を連れてやってくるのだが、今日は珍しく1人で桃を持ってやってきた。

やっほ！と言いながら現れて家族でハンバーガーを食べ、女子トークに華が咲いた。

ダイニングで私と姉と母。
ソファに無言の父。

「女が3つで姦しい」とはよく言ったもので、どうでもいい話からちょっと大切な話まで。
ひたすら話しては笑い、賑やかに騒いでいた。

途中で父がソファからじーっとこちらを見ている事に気が付いた。

"どうした？"と聞いてみる
"そういやうちっていつもこんな感じやったなあ"なんて遠い目をして笑った。

ああ、そうだったかもしれない。
いつも3人が大騒ぎして、急に父が話し出す。
すると皆んなが静かに父の話をしばらく聞いて、また話し出す。

家族全員がO型で話したがりばかりの我が家は、別に何がある訳でもないけれど、毎日賑やかだった。

姉がお嫁に行って、父が病気がちになってからすこし静かになっていたのかもしれない。

別に形が変わってしまった訳でもないし、今もそれなりに賑やかだとは思うけれど、やっぱり4人揃うと妙にしっくりくる。

これから私が家を出たり、子供が増えたり、また少しずつ変わっていくんだろう。
けれどそれでも、私の知っている家族のカタチはやっぱりこの4人なんだな。と妙に暖かい気持ちになった。

何か辛いことがあれば、今日のこの日を思い出そう。
私は仲の良い家族のもとに生まれてきて、喧嘩をしながらも今も楽しく暮らせていて、本当に幸せものだ。