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#11 TOHOシネマズ泉北

堺の内陸部にあるシネコン

 また大阪南部のシネコンに戻ってまいりました。今回は、大阪市のすぐ南に位置する堺市の中で、泉北ニュータウンがある内陸部の地域にあるTOHOシネマズ泉北を取り上げます。ちなみに堺市には、最も大阪市に近い側の海のそばにあるMOVIX堺に、内陸側のTOHOシネマズ泉北、その間くらいにあるTOHOシネマズ鳳、と3つもシネコンがあります。人口80数万人の堺市に3つもシネコンがあるなんて、けっこう恵まれていると私は思っています。

TOHOシネマズ泉北
https://hlo.tohotheater.jp/net/schedule/005/TNPI2000J01.do

 TOHOシネマズ泉北は、映画館ができた当初はヴァージン・シネマズ泉北でした。2000年代前半にはもうあったでしょうか。その後、現在のTOHOシネマズ泉北になりました。ちなみにTOHOシネマズ泉北は、現在「アクロスモール」という商業施設に入っていますが、この商業施設が少し前まで「クロスモール」と呼ばれていました。昨年の4月1日に運営会社が変わってアクロスモールになりましたが、名称変更が4月1日だったこともあって、「エイプリルフールだからってクロスモールをアクロスモールに改名するってなんの冗談やねん?」と思っていたら、たまたま運営を引き継いだ会社が持つ商業施設のブランド名がアクロスモールだっただけでした。

TOHOシネマズ泉北の場所

 TOHOシネマズ泉北が入るアクロスモールは堺市南区にあり、最寄駅は泉北高速鉄道の栂・美木多(とが・みきた)駅です。難波から行くなら、南海電鉄の難波駅の改札を入って左手のゾーンにある南海高野線の発着ホームから、行き先が「和泉中央」となっている電車に乗ってください。途中の中百舌鳥(なかもず)駅から泉北高速鉄道に入り、栂・美木多駅まで連れていってくれるはずです。行き先が「橋本」「河内長野」「林間田園都市」などとなっている電車に乗ってしまうと、高野山のほうに連れていかれますので、ご注意ください。また、難波駅の改札を入って右手のゾーンは南海本線の発着ホームなので、間違えてこちらに乗ると、関空や和歌山市に連れていかれます。

 栂・美木多駅からアクロスモールまでは1kmくらいあるでしょうか。栂・美木多駅からバスも出ていますが、やはり車で行くのが便利です。ちょうど、泉北1号線と泉北2号線が交差するあたりを南に入っていったところにアクロスモールがあります。駐車場は無料です。

会員制度・シネマイレージ

 TOHOシネマズ泉北には、TOHOシネマズ共通の会員制度があります。詳細は、TOHOシネマズなんばの記事をご参照ください。

サービスデイ・割引サービス

 TOHOシネマズ泉北のサービスデイや割引サービスもTOHOシネマズなんばと同様ですので、こちらもTOHOシネマズなんばの記事をご参照ください。

プレミアスクリーン

 TOHOシネマズには、ゴージャスな座席が設置されたプレミアスクリーンがあります。座席の前後左右の幅も広く、優雅に映画鑑賞できます。このプレミアスクリーン、TOHOシネマズなんばでは少し前になくなってしまったと書きましたが、TOHOシネマズ泉北にはまだ残っています。TOHOシネマズ梅田やTOHOシネマズ鳳には最初からプレミアスクリーンがなかったはずなので、いまや大阪府下でTOHOシネマズのプレミアスクリーンが残っているのは、ここくらいではないでしょうか。TOHOシネマズ泉北でも、昔は鑑賞料金が少し高めに設定されたプレミア上映があったように思いますが、最近はプレミアスクリーンでも通常料金での上映ばかりです。通常料金でゆったり見られるプレミアスクリーン、お得です。

 ちなみに、プレミアスクリーンの座席にはリクライニング機能がついていて、どこまでも王様気分で映画鑑賞できます。バスの座席みたいに、ひじ掛けのところにレバーがついていて、歯医者さんの椅子みたいに背もたれと座面が同時に動く感じです。快適すぎて、上映中に寝落ちしないように注意が必要だったりもします。

字幕版が多い上映ラインナップ

 私はなんとなく、TOHOシネマズ泉北とTOHOシネマズ鳳が補完関係にあるように感じていて、TOHOシネマズ泉北で上映されている作品はTOHOシネマズ鳳では上映されていなかったり、その逆もあったり、というところです。たとえば、TOHOシネマズ泉北で『ミッドサマー』の通常版が上映されていると思ったら、TOHOシネマズ鳳ではディレクターズカット版が上映されている、とか。

 そんな中、なんとなくの傾向として感じているのが、この両館での字幕版と吹替版の上映について。字幕版と吹替版の両方の上映がある作品で、公開からしばらくすると字幕版と吹替版どちらかの上映が終了してしまうようなとき。TOHOシネマズ泉北では、字幕版を最後まで残してくれて、TOHOシネマズ鳳では吹替版を最後まで残してくれる、という傾向があるように思います。字幕版と吹替版では字幕版を好んで見る私にとって、字幕版を最後まで上映してくれるTOHOシネマズ泉北は、とてもありがたい映画館です。

 余談になりますが、この字幕版・吹替版の上映傾向は、堺市の都市開発の歴史と関係があるのではないかと私は思っています。TOHOシネマズ泉北のある泉北ニュータウンは、昭和40年代から50年代に宅地開発された地域。その頃に新たに居を構えた住民が、現在は高齢者となっています。これに対しTOHOシネマズ鳳のある場所は、古くからの地元住民が暮らしていた地域が10数年前に開発されたところ。開発により商業施設のアリオ鳳ができ、TOHOシネマズ鳳が開業するとともに、周辺に分譲マンションが建設されました。このため、TOHOシネマズ鳳の周辺には、最近になって居を構えた若い子育て世代の住民も多いはずです。

 TOHOシネマズ泉北の周辺に暮らす高齢の世代は、おそらく字幕で映画を見るのが普通だった世代。これに対しTOHOシネマズ鳳の周辺に暮らす若い世代は、映画館でも洋画を吹替で見るのが当たり前になった最近の世代。TOHOシネマズ泉北とTOHOシネマズ鳳の字幕版・吹替版の上映傾向は、こんな都市開発の歴史が影響しているのではないかと私は推測しています。

 映画館の話をするはずが、堺市の現代史について論文を書けそうな気がしてきました。これを読んでいるみなさんは、そろそろ眠くなってきているんじゃないかと思うので、この辺でやめときます。

※料金やサービスは、2020年4月現在の情報です。

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