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#2 TOHOシネマズなんば

南街会館

 次はどこの映画館のことを書こうかな…と考えて、やっぱりここ!と思ったのがTOHOシネマズなんば。ミニシアターの対極にある気もしますが、大阪の映画館を紹介するにあたって、TOHOシネマズなんばを取り上げないわけにはいかないかな、と。

 といいつつ、見出しはいきなり南街会館。いや、TOHOシネマズなんばの場所にね、十数年前までは南街会館という映画館がありましてね。大阪南部出身の私にとっては、ここがやっぱり大阪の映画館の中心みたいな感情があるわけですよ。で、それが現在に受け継がれていると感じるのがTOHOシネマズなんば、というわけです。

TOHOシネマズなんば
https://hlo.tohotheater.jp/net/schedule/032/TNPI2000J01.do

TOHOシネマズなんばの場所とエレベーターホール

 大阪メトロ御堂筋線なんば駅の南端に、百貨店なんばマルイがあり、その最上階にTOHOシネマズなんばが入っています。戎橋筋商店街の入口に最近できたエディオンの反対側、大阪高島屋の向かい側です。

 なんばマルイの戎橋筋商店街側にエレベーターホールがあり、3基あるエレベーターのうち一番奥の1基が、8階のTOHOシネマズなんばへの直通エレベーターです。手前の2基はマルイの各階に停まるので、マルイの営業時間内に手前2基のエレベーターが来たからと慌てて乗ってしまうと、各階停まりにイライラさせられ、直通エレベーターを待って乗るほうが8階への到着が早かった、と後悔します。

 ちなみに、エレベーターホールのさらに奥に、地下から8階まで続く階段があります。映画が終わった後、8階ロビーでのエレベーター待ちが大混雑でなかなか乗れそうにない、なんてとき、エレベーター横の人混みをかき分けて階段に続く扉を開け、1階までひたすら階段で降りる、というのが実は一番早かったりもします。

 このエレベーターホールの壁には、懐かしの南街会館のプレートが埋め込まれています。一番奥の直通エレベーターの横です。なんでも、この場所にかつてあった南街会館は、映画興行発祥の地だとか。そのことを記した記念碑が、TOHOシネマズなんばとなった今も、この場所に残されています。「TOHOシネマズなんば、混みすぎでエレベーター全然来ないやんけ!」と思うときには、この記念碑を読んで待っていると心穏やかになります。

会員制度・シネマイレージ

 TOHOシネマズなんばには、TOHOシネマズ共通の会員制度があります。6回の有料鑑賞で1回無料鑑賞できるポイント制度があり、さらにこれと並列で、「シネマイレージ」というマイルがたまるTOHOシネマズ独自の制度があります。これは、映画の上映時間1分につき1マイルがたまるというものです。例えば『1917 命をかけた伝令』なら、上映時間が119分だから119マイルが加算されます。このとき、上映時間分の119マイルと、映画鑑賞による鑑賞ポイント1ポイントが、同時にそれぞれ加算されます。120分の映画を6回見たら、鑑賞ポイントが6ポイントたまると同時に、120×6=720マイルがたまる、という仕組みです。

 鑑賞ポイントの方は加算日から2年間有効、マイルの方は、加算日の翌年12月末まで有効です。2020年4月13日の今日鑑賞すれば、今日加算されたポイントは2022年の4月12日まで有効で、マイルは2021年の12月31日まで有効、となります。6ポイントたまると1回無料鑑賞ができるのとは別にマイル交換特典があり、1000マイルでポップコーンSやドリンクSと交換できます。「そんな1、2年の間に1000マイルもたまらないよ」という人のために、300マイルで応募できる抽選の交換特典も不定期であります。特典は非売品の映画グッズが多く、例年マイルが失効する年末頃にキャンペーンがたくさん出ています。

 シネマイレージカードには、クレジット機能のないポイントカードのみのものと、クレジットカードと一体になったものの2種類があります。ポイントカードのみのものは誰でも作ることができ、入会金が500円で更新料が300円。有効期限の3か月前から更新可能で、有効期限が切れてから1年たってしまうと更新できなくなります。クレジットカード一体型のほうは18歳以上の人が作ることができ、セゾンMastercardなら初年度無料で更新料が300円(税抜)です。ただし、1年の間に一度でもクレジットカードでのショッピングやキャッシングの利用があれば、翌年度も年会費無料になります。このあたりは、条件付きで年会費無料になるクレジットカードの方式といったところでしょうか。うまく使えば映画館のポイントサービスがずっと年会費無料になるという点で、ありがたいところです。

 また、少し前から、シネマイレージ会員は一般より3時間早くウェブでチケット購入可能、というシステムになりました。一般が上映日2日前の午前0時からチケット購入可能になるのに対し、会員は3日前の21時から購入可能です。人気の上映チケットの場合、この3時間のアドバンテージがありがたい反面、21時スタートだとチケット購入のためにこの時間のレイトショーが見に行けないやんか!という映画ファンならではのジレンマがあったりもするシステムです。

サービスデイ・割引サービス

 TOHOシネマズなんばでは、次のようなサービスデイや割引サービスがあり、それぞれ映画1本が割引料金で鑑賞できます。

・TOHOシネマズデイ  毎月14日/1,200円
・ファーストデイ   毎月1日/1,200円(12月1日は映画の日で1,000円)
・レディースデイ   毎週水曜日/女性1,200円
・シネマイレージデイ 毎週火曜日/シネマイレージ会員1,400円
・auマンデイ     毎週月曜日/auスマートパス会員
            一般・大学生1,200円、高校生以下900円
・LINE Payシネマデイ  毎月第3木曜日/LINE Payでのウェブ購入1,200円
            (2020年8月20(木)まで)
・レイトショー    毎晩20時以降/1,300円
・シニア割引     60歳以上/1,200円
・夫婦50割引       どちらかが50歳以上の夫婦/2人で2,400円
・障がい者割引    障がい者手帳を持つ人と同伴者1名/1,000円

 なお、通常料金は、一般1,900円、大学生1,500円、3歳から高校生まで1,000円です。

 また、毎月9日は「POP & Coke Day」として、通常680円のポップコーンセット(ポップコーンM&ドリンクM)が、ワンコインの500円で販売されています。現時点では2021年2月までのキャンペーンとなっていますが、好評でキャンペーンが延長された実績もあるので、TOHOシネマズに行くときにチェックしてみてください。

IMAXとか3Dとか4DXとか

 TOHOシネマズなんばには、IMAXシアターがあります。TOHOシネマズ梅田にはIMAXがないので、大阪市内でIMAX上映が見たいとなると、TOHOシネマズなんばが一番便利ではないでしょうか。

 3D上映ももちろんあり、通常の3D上映と、IMAXの3D上映とがあります。どちらも3D鑑賞料金として追加で400円かかります。うち100円は3Dメガネ料金です。通常の3DとIMAXの3Dとでは3Dメガネが違いますが、どちらも100円です。また、3Dメガネは持ち帰れるので、次回鑑賞時に3Dメガネを持参すると、3D鑑賞の追加料金は300円になります。3Dメガネ持参時は、普通の3DメガネとIMAX専用の3Dメガネを間違えないようにしましょう。

 また、TOHOシネマズなんばには4DXシアターもあります。映画の場面に合わせ、座席が揺れたりミストが吹きかけられたり。結構しっかり揺れるので、ちょっとした遊園地のアトラクションみたいです。4DX上映には、間違ってもポップコーンを持って入ってはいけません。揺れで床にぶちまけてしまいます。

 あと、少し気をつけておきたいのが、4DXシアターで上映される通常版の上映。どうも4DXの座席は、横1列4席ほどを一体で動かす仕様になっているようで、この同じ4席のブロックに座った隣の人がゴソゴソ動くと、普通の座席に比べて揺れがひどく伝わってきます。4DX上映なら座席がガンガン揺れているので気にならないのですが、通常上映なのに映画と関係のないところでゴソゴソ隣の揺れが伝わってくるのは、ちょっといただけません。4DXシアターでの通常上映を見る場合、この点を覚悟しておく必要があります。

 なお、IMAX、3D、MX4D等の鑑賞にかかる追加料金をまとめると、次のようになります。IMAXの3Dなら、両方の追加料金がかかります。

・3D追加料金  400円(3Dメガネ付き)または300円(3Dメガネなし)
・IMAX追加料金 500円
・MX4D追加料金 1,200円

今はなきプレミアスクリーン

 TOHOシネマズなんばのスクリーン8とスクリーン9は、少し前まで「セレクトスクリーン」「プレミアスクリーン」となっていて、プレミアスクリーン用のラウンジのところに入口がありました。セレクトスクリーンのほうは、おそらく名前が変わっただけですが、プレミアスクリーンの方は、スクリーン9となったときに座席が改装されました。それまで、隣との間隔が広く豪華な座席だったのが通常の座席に変わり、スクリーン9になって少し座席数が増えたはずです。

 TOHOシネマズなんばの開館当初、プレミアスクリーンでは鑑賞料金が少し高めに設定された「プレミア上映」がありましたが、その後、プレミアスクリーンでも通常料金での通常上映が主流になりました。そうなると、収容人数が少ないプレミアスクリーンの存在価値がなくなってきた、ということで改装に至ったのでしょうか。ただ、プレミアスクリーンからスクリーン9へ改装された後も、座席の前後の間隔は広いままです。この点、スクリーン9となった今も、少しプレミアでお得だと私は思っています。というのも、前後の間隔が広いおかげで、後ろから座席の背を蹴られることがまずない。スクリーン9での上映というだけで、後ろからマナーの悪い客の邪魔が入ることなく安心して見られる、と嬉しくなります。

TOHOシネマズなんば別館

 TOHOシネマズなんばには、別館があります。戎橋筋商店街の入り口から、なんば南海通りを千日前方面に向かい、右へ行くとなんばグランド花月、左へ行くとTOHOシネマズ別館、という感じでしょうか。左へ行ってビックカメラが見えてきたら行きすぎなので、戻ってくださいね。

 別館は、昔は敷島シネマがあったところです。いや、敷島劇場でしたっけ? TOHOシネマズなんばの別館になる直前は、敷島シネポップと呼ばれていたような気もします。

 別館では、ずっと午前十時の映画祭が上映されてきました。午前十時の映画祭の最初の数年は、本館のスクリーン3やセレクトスクリーンでの上映が多かったように思いますが、ここ最近はずっと、別館が上映劇場でした。

 別館のシアターはビルの4階にあって、下の階はパチンコ店。このパチンコ店が朝10時開店で、いつも10時前にすごい行列ができます。世の中こんなにパチンコ店の開店時間に並ぶ人がいるのか、毎週よく飽きもせずに、と思いながら、私はいつも午前十時の映画祭に向かっていました。でも、きっとパチンコ店の行列に並ぶ人たちから見ると、アイツ毎週よく飽きもせずに朝から映画館ばかり来るよな、と思われていたんでしょうね。

 別館と本館の間の移動は、だいたい5分くらいでしょうか。だから、2本立てをしたいときに1本目の終映と2本目の開映が同時刻だった場合、どちらも本館なら予告編の時間があるから間に合う!と思うところが、本館から別館への移動があると諦めることになったりします。また、別館上映作品をうっかり確認せず開映時刻ギリギリに本館に到着し、チケットカウンターで別館上映ですと言われて撃沈する、なんてこともあります。上映館や上映スクリーンは、よくチェックしておきましょう。

豊富なラインナップと大混雑

 そんなわけで、TOHOシネマズなんばは、本館にスクリーン1~9、別館にスクリーン10~12の、全部で12スクリーンがある大きな映画館です。このため、梅田と難波でそれぞれ1館ずつしか上映がない、なんて映画が、難波ではTOHOシネマズなんばで上映されていることが多く、いつも多様な上映ラインナップがそろっています。また、南海難波駅と大阪メトロ御堂筋線なんば駅の間のアクセスしやすい場所にあるため、週末などはいつ行っても大混雑です。大阪南部の映画館の場合、チケットを予約せずふらっと行っても座席が空いていることが多いのですが、TOHOシネマズなんばは事前にチケットが完売になることも多いです。特に、難波でここだけ、なんて作品の場合に、座席数の少ないスクリーンで1日1,2回の上映だったりすると満席になっていることも多いため、予約していくことをお勧めします。

大混雑よ再び

 TOHOシネマズなんばは、いつもすごく混んでいるけれども直通エレベーターが快適だし、上映作品のラインナップも豊富だし、午前十時の映画祭を最初の年からずっとやってくれているし、南街会館時代から私にとって都会の映画館と言えばここだったし、というあれやこれやで、何というんですかね…「王者の大混雑」という印象があります。

 以前はイライラさせられることが多かったTOHOシネマズなんばの大混雑ですが、今はただ、あの大混雑が戻ってくることを願っています。

※会員制度や料金は、2020年4月現在の情報です。

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