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使い捨てプラスチック製品の有料化、賛成?反対?みんなの意見を徹底分析/調査!

こんにちは、見える化エンジン情報調査部です。

プラスチックごみを削減するため、コンビニや飲食店のテイクアウト時などで無料で提供される使い捨てスプーンなど12種類のプラ製品について、4月から有料化や再利用などの対策を義務づける方針が明らかになりました。

そこで今回は見える化エンジン(※1)を使って、「コンビニなどで無料で提供されてきたプラ製のフォークやスプーンが有料化されること」に関する皆さんの意見を、アンケートからデータを収集(※2)し、「見える化エンジン」を使って、分析・調査してみました。

※1 見える化エンジンは、テキストマイニングの技術によりTwitterなどのSNSや様々なテキストデータを収集、分析、視覚化するツールです。
※2 調査概要
データ収集:ネットリサーチ(見える化エンジン 瞬速リサーチを使って収集)
対象期間:2022/02/03~2022/02/10
分析件数:1,216件

プラスチック製品の有料化には67%が賛成

今回収集したアンケートでは、67.1%が「賛成」または「どちらかといえば賛成」、32.9%が「反対」または「どちらかといえば反対」と回答し、賛成派が多い結果となりました。

図1

ここから、テキストマイニングを使って集まった意見を深堀りしていきましょう。


プラスチック製品の有料化を前に、
皆さんの関心事は?

有料化に関して思うことについて、今回集まった意見をマッピングにしてみました。

青色の単語が発言数の多い単語です。
同時出現の関連性(共起の関係)が強い単語をグレーの矢印が繋いでおり、このように全体像を俯瞰することで、話題のまとまりを把握することができます。
今回の結果では、緑色で記載したような話題を発見することができました。

図2

プラスチック製品の有料化について、
定量化したことで分かった「1番の関心事」は?

さて、今度は図2で見えた話題を定量化してみました。

件数順でランキング化してみると、意見として最も言及されていた話題は「環境問題」でした。「レジ袋(3位)」の有料化に続く施策ということで、環境問題に対する関心は高まっているようですね。

2番目に多いのは「外出時」に関する話題でした。
家で食べるなら問題なさそうな一方で、外で食べたい状況を想定した意見も多いようです。

5位以下は、紙製・木製などの「代替品・素材」、施策による「効果」、使い捨て製品を使わない場合の「衛生面」に関する言及が続きました。

図3

プラスチック製品有料化の賛成派と反対派、
意見の違いは?

先程定量化した話題について、賛成派と反対派で発言量に差があるのでしょうか。
以下で内訳を見てみました。

図4

賛成派は「環境問題」「ゴミ削減」といった課題についての発言が約45%を占めており、17%に留まっている反対派とは大きな差があります。

「ゴミ削減の取り組みと自然環境への優しさから大切な取り組みであると思います。」

やはり、地球のために取り組まなければならない課題の解決策の1つとして、理解を示している方が多いようです。

次いで、マイスプーン・マイフォークをはじめとした「マイカトラリー」の発言が12.6%を占めました。

「プラスチック削減の意識を皆が植え付けられることも重要と思う。代わりにマイ箸を持ちます。
マイカトラリーを洗ってくれるサービスがあったら嬉しいです、竹などで代用できそうなものなので代替品も出てきそうですし。」

という意見にもあるように、マイカトラリー持参に対して、洗ってくれる・ポイント還元など、サービスが広がると嬉しいですね。

一方、反対派は「外出時」や「衛生面」に関する話題が賛成派の倍近く言及されています。

「本当に必要なときに必要なだけ最低限使ってる分については無料のままにしてほしい。
子供がぐずって離乳食などを外で急に買ってあげないといけない場面が多いのですが、マイスプーンも衛生的に心配だし、買うにしてもに地味に出費がかさみそうで不安」

というように、有料化への対応としてマイカトラリーを持ち歩く場合の衛生面について不安の声や、家で食べない場合(外出時)の不便さについての言及が見られました。

また、「効果」に関する発言は、賛成派の3倍以上言及されています。
効果の説明が欲しいとする意見や、疑問視する声が多いようです。

男女で意見に違いはあるか?:賛成派と反対派に大きな差はなし

ここまでは、あくまで賛成派と反対派という視点で話題の違いを見てみましたが、男性と女性で意見や関心事にに差はあるのでしょうか?
まずは賛成・反対の比率を確認してみましょう。

図5

どちらも賛成派が60%代と、男女で大きな差の違いは見られませんでした。
では、関心事や発言の傾向の違いについてはどうでしょうか?

男女で意見に違いはあるか?:発言傾向にはこんな差があった

次に、意見や関心事での違いはあるかという視点で、発言傾向を分析してみます。
図6は、男性と女性で比較をし、特徴的な発言をマップ図で表したものです。

図6

まず、右上の男性がら伸びる単語に注目してみます。


「環境汚染」「環境破壊」「地球環境」といった社会問題への言及が見られ、環境課題に関する話題があるようです。
また、「代替」「紙」のように、紙製・木製といった代替素材についての意見が特徴として現れました。

「環境に配慮しなければならないので仕方ないと思いますが、紙製、木製など別素材のものを付けてほしい。」


次に左下、女性に注目してみましょう。

特徴的な意見として、「マイスプーン」「マイ箸」「箸-持ち歩く」など、マイカトラリーについての話題が確認できました。

「できることからやるしかないので。大変でもやらなければと思う。いつでもカバンにマイスプーン等を入れる。
でも、楽しくなきゃ嫌なのでかわいいスプーンやフォークなどにし、入れるものも工夫したい。」

環境対策に取り組む一方で、折角持ち歩くならマイカトラリーにこだわりたいというニーズも増えていきそうです。
デザイン性のほか、これまでの分析で見えてきたような、持ち運びやすさなどの機能性・抗菌素材や洗いやすさなどの衛生面などが考慮された商品が増えると嬉しいですね。

男性女性で意見を比較してみると、プラ製品有料化の対応として、
男性は "紙製・木製などの別素材で代替"
女性は "マイカトラリーで対応"
という意見の傾向が見られました。

まとめ:賛成が多数派。
一方で「仕方ないけど」の解消も大切

プラ製品の有料化については、賛成派が多い結果でした。
分析によって明確な賛成派・反対派の意見が可視化された一方、どちらにも一定数「仕方ない」という意見が存在していました。

今回の調査では、「仕方ないけど賛成/反対」の裏側も探るべく、定性情報から関心事や、男性女性の意見の違いを深ぼってみました。
ここで見られたモヤモヤの解消や、ニーズを反映した商品・サービスが展開されると嬉しいですね。

参考:
プラごみ削減義務化へ…4月1日から開始https://news.yahoo.co.jp/articles/64f70bf89f952808aaeb0629b116805819129ea0

担当:住谷

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