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フランスで「PLAN75」を観ました

Bonjour! みなさんこんにちは。Mielです。

ここフランスでは、あの脅威の猛暑が過ぎ、最近は雷雨が多くなった気がします。今朝もゴロゴロ!ピカッ!バシャー!!っという中をふーさんはふくれっ面で仕事にでかけていきました。分かるよーその気持ち。私もそうだったからね。仕事に行くときに天気が悪いと何かと憂鬱になるよね。。。でも、雨の後は空気が澄んだ感じがして好きです。深呼吸すると気持ちいいしね。

昨日、私達は「PLAN75」を観てきました。私達の住む街の、ちょっとマイナーな映画を上映する映画館でそれをやっているのを見つけたんです。さらに、日本語の原版でフランス語の字幕付きという、私にとってはサイコーの状態で、彼も日本の映画をフランス語の字幕で観たいというのもあって。

私達は開始ギリギリに入ったのですが、その60席分くらいの小さな部屋には、すでに5〜6カップルほどの方たちが座っていました。平日の夕方にも関わらずフランスでも関心がある方がいらっしゃることに、日本人として少し嬉しくなりました。みなさんもちろん、最後まで一言も発せず(フランスではよく飲食しながらとか、会話が聞こえます)鑑賞されていました。 

感想を一言で言うのは難しいですね、テーマが重いのでなおさらですが。映画館を出た後もふたり共しばらく無言でした。今すぐにでも自分の思いを共有したいけど言葉が見つからないという感じで。
ようやく口を開いた彼は、映画を観る前にティッシュを用意すべきだったと。彼は3回涙が流れたそうですが、乾燥のせいで涙はすぐ乾いたから必要なかったけどねと言っていました。(ちなみに私は一回だけ。。。)
その涙の理由は、老人の孤独を強く感じる部分があったからだそうです。フランスでももちろん、高齢者の孤独の問題はあります。例えば、施設に入所された後は、家族は全く面会に来ないとか、自宅で孤独死するとかもあるそうですが、日本よりは少ないかもしれないねと。

また、映画が全体的に静かなトーンだったこともあり、時間が長く感じたけれど、最近の映画はどれも迫力があって展開が早すぎる傾向にあるからね、とも。それには私も賛成です。最近のメディアはいつも刺激が強すぎて、私達もそれにいつからか慣れていたかもしれません。

看護師であった私としては、高齢者の方に対して敬意を払うことは当たり前に思っています。だから、高齢者の孤独の問題を映画のような形で済ますことってすごく怖いようにも思うんです。人が死ぬことって本来すごく尊厳されるべき事態なのに。人が死ぬってことは血が繋がった家族はもちろん、その方と関係がある周囲の人たちにとっても本当に辛い問題のはずなのに。
家でテレビをつけたまま亡くなって何日も経つような方がいる一方で、先日亡くなられたエリザベス女王のように、イギリス国内だけでも何万人という人達に花を手向けてもらえる方もいて。。。

やっぱり、この映画の感想は一言では言い切れないです。いろんな思いが溢れてきます。

今後フランスで働けるようになったら、高齢者施設や自宅で暮らす方のお手伝いができたらいいなと思っています。ここでの現実を知ることで、私にしかできない何かがあるはずだ、とも思っています。
そして、そのときにやっと、この映画の感想が言えるのかもしれません。

ガンバるぞ〜!

ではまた、A Bientôt !



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