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②こころの中の図書館~プロローグ~と~ハムスターの回し車と自分時計~

はじめにこちらをお読みください↓
こころの中の図書館~ビラ配りの老人と【僕】の旅の物語~はじめに~

◇◇プロローグ◇◇


僕があの壮大な秘密の人生の書と出逢ったのは
それは、土曜の朝だった。

あの日から
もう何年も経ったような気分だ。

自分が浦島太郎になったように感じるほど
その”秘密の人生の書”は壮大だった。

そういや、あの人も・・・
「これは、人間の魂の成長物語の旅が記されているんですよ」なんて、言ってたな。

あぁ、本当にその通りだ。
僕が浦島太郎になったような気分になるのも当然なんだろう。

沢山の人の魂が歩んできた時空間を越えた物語の欠片が集まった
人生の書を・・・あの図書館で体験したからだ。

◇◇ハムスターの回し車と自分時計◇◇

家でボッ~としてたって、しょうがない。
そう思って、僕は駅前にある大きなショッピングビルをブラつこうと決めた。

ソファから腰を上げ、別に興味もなかったテレビ番組を消して出かける準備をした。

洗面台で歯磨きしている時
久しぶりに自分の顔を見た感じがした。

普段は仕事へ行く準備で
心がセワシナイからか・・・
鏡に映る自分の顔を
こんなにじっくり覗くことなんてないな~とふと思った。

その時、同時に
社会の渦の中で、毎朝の自分の顔を見ることもないような忙しい時計の針に合わせる生き方に
心の中がぼっかり穴が開いたような気分になった。

あぁ、自分時計で生きたいな~。
僕は自分が何のために仕事をしているのだろう?
鏡に映る自分に話しかけるように言った。

社会って、会社って、仕事って
なぜ、こうなんだろう??

みんなは、疑問に思わないのかな。

仕事ってこんなものって思っているのかな。

いやいや、自分もそう思ってるじゃん。

セワシナク時間が過ぎていくことに
疑問を抱きながらも
月曜になったら、きっと僕も・・・
また、その渦の中に戻るんだろう。

そんな事をグルグル頭の中で考えた。

ハムスターがグルグルと回し車の中で
走っている姿が思い浮かんで
つい、笑ってしまった。

そうだな。今、僕の頭の中も人生も
そんな状態だなと思いながら

服を着替えて、玄関を出た。

次回~オールド・ワイズマンとの出逢い~
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