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野薊某日日記

某日。

あまいしょっぱいあまいしょっぱいを繰り返す幸せに似ている。

音楽推しのアジカンとMrs.の同日リリースアルバムをリピート&リピート。

落ち着いたムードのアジカン「サーフブンガクカマクラ完全版」と、疾走感あるMrs.の「ANTENNA」。


どちらも完成度が高くて、毎日行ったり来たり忙しい(先日悩んでいた「どちらのアルバムから聴くか問題」については、発売日前日にMrs.の「ANTENNA」が先行配信となったため、そっちを先に聞くことで解決した)。


某日。

毎年この季節は夫の長期出張がある。

普段、家事育児を分担で請け負ってくれているので、子どもが生まれたばかりのときの出張は、ひとりですべてをやらなければならず憂鬱で難儀で仕方なかったものだが。

そこそこ大きくなった子どもたちは、自分のことは自分でできるようになり、なんならときどきは家事も手伝ってくれる。

今回は、山のような洗濯物を畳んでいたらふたりが手伝ってくれた。

以前は洗濯物を畳む私の背中におんぶされた状態や横に寝そべり、「かまえかまえ」とわんわん泣きわめいていたのに。

思わず「大きくなったね…」と言うと、上の子はふふとはにかみ、下の子はかっこつけながら「まぁね〜てつだえることはてつだうのがおおきくなったってことだよ」と彼ならではの文法でドヤ顔をする。


某日。

よく利用するバスに、気になる人がいる。

短く切った白髪メインの髪をワックスでツンツンに立てた60代くらいの女性で、目元はサングラス。

洋服は上下モノトーンでまとめたかっこいいスタイルで、足元はぶっといバックルのついた黒いサンダルに赤い靴下。

自分のスタイルを貫いていて最高にロックで、見るたびに惚れ惚れする。

さらに、同じ人かは定かではないが、以前同じ路線のバスに、持っていたトートバッグからすっと『ROCKIN'ON JAPAN』を取り出して読み始めた老年の女性もいて。その佇まいにしびれた。

目を凝らしてみてみると、街の中にかっこいい年上の女性は多い。

年を取った女性は「おばさん」とか「おばあさん」という呼称で、どうしてだか若い女性との比較は免れず、美的にも健康的にも劣った感じとか、もしくは年をとって丸くなって優しいとか、画一的なイメージをつけられがちだけれど。(綺麗であればあるで「美魔女」とか言う呼称をつけられるので、それはそれでなぁという気持ち)

街中で自分のスタイルを持つ先輩を見つける度に、そんな世間の固定されたイメージなぞ気にも掛けずに、自分のなりたいようになりたいと気持ちが昂ってくる。


去年の7月はこちら。


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