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パフォーマー的「出来る」と「魅せる」の違い

『ダンスが下手でも、テーマパークパフォーマーはできます!』

私はもともとダンスが得意ではありませんでした。
そして今も得意ではありません。

以前、私が舞台監督に言われた言葉

「お前は、さも出来てるように魅せられる技がある」

と。

最初この言葉を聞いた時、褒められんの?え?ディスられている?
わかりませんでしたが、考えた結果、答えは前者でした。


ーーーーお客様の前でパフォーマンスをする場合、何が一番大切なのでしょうか?

要は、お客さんが楽しんでくれているかどうか、です。

じゃあダンスがうまければいいのでしょうか?
いいえ、違います。
もちろん、綺麗なダンスを踊って人を感動させることは素晴らしいことです。ただ、私にはそれができなかった。小さな頃から踊っていたわけでもないし、ダンス経験者と同じステージに並べば一目瞭然でダンススキルがないのがわかる。限られた稽古期間では、同じようにやっていては、追いつかない。でも、本番は大成功。

じゃあ、なぜ私は、「さも出来ている」ように見えるのか。

それは、上手にごまかしているからです。

例えば、どうしても苦手な振り付けの箇所は、自己流の振り付けにバレない程度に変えて、自分の体が動きやすいように鏡を見て研究していたり、

例えば、自由に踊っていい箇所は、お客さんに手を振ったりコミュニケーションをとりに行ったり、とても簡単な振り付けであっても、スピード感や顔のつけかたでメリハリをつけることで、10倍踊ってる感が出るものです。

そして、忘れてはいけないのが、自分の世界に入り込みすぎないでください。

世界観を作るのは、大事。ただ、その世界を必ずゲストと共通していることを忘れないように。でないと、それは、ただの発表会と同じです。

我々は、お客様からその日の時間とお金を頂戴して、その代わり娯楽を提供している仕事です。「お客様は神様だ」とは思いませんが、今日その現場に誰も来てくださらなかったら、ショーは開催出来なかったのですから、
お客様・ゲストに対して「ありがとう」の気持ちは忘れないでくださいね。

この気持ちさえ強く持てば、必ず「魅せる」近道となります。
どうしても「うまく成功させなくちゃ」「フリ飛んじゃったらどうしよう」と思ってしまいます。が。お客様はそれが観たいのではないのです。あなたがうまく台本通りできることを見にきてるのではなく、むしろ極端な話プチトラブルがあった方が爆笑を取れる可能性だってあります。

「あー、楽しかった!」と思ってもらえることができれば、成功です。

上手に「できること」ではなく、自分なりに「魅せること」の引き出しを増やしてみましょう。

具体的には・・・それはまた後日。

活動資金として、必ずや皆さんへ恩返しを。