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【選択の日常】100万円があったのなら、

先日、クラスメイトが学校を辞めた。もともと隣の席でよく話をしていた、あやさん(仮名)という女性。

数ヶ月前から始まった建築関係の授業。あやさんは、若くて要領がいい。持ち前の手際の良さで、経験者顔負けの実力を存分に発揮していた。

なのに、だ。

辞めてしまった。正確には、出席日数が足りなくて、退学になってしまった。

数ヶ月の時間を共に過ごしてきた仲間を失う、寂しさともどかしさ。どうしてこうなってしまったのだろう、と考えても終わったこと。


せめて、選択のはざまにおられる方、悩んでいる方がおられれば、何かのヒントになるかと思い、下記にまとめることにする。よろしければ、お付き合いください。



誰にだって選択肢はある。
「私にはこれしかない!」とポジティブに捉えているのであれば、素晴らしいこと。けれど、「私はこれしかできないから、、」と考えているのであれば、果たして本当にそうだろうか。

何かを学びたいと思う限り、誰にだって道は開かれると、私は考える。

私が通っているのは「職業訓練校」で、いわゆる授業料が無料の学校だ。離職している状況で、面接・試験に合格すれば、通学の許可が降りる。さらに、所定の条件を満たすものは、生活費の給付を別途受けることができる。
※受講コースによって、一部授業料が有料のものもあります。
※管轄ハローワークにより条件等が異なるので、気になる方は直接お調べ・お問い合わせください。

私のクラスメイトであった、あやさんもこの「職業訓練校」という制度を使って、受講をスタートした。



「憧れ」なのか、「興味」なのか。
受講が開始して数ヶ月、残念ながら3分の1の方が脱落された。

若干名のポジティブな理由の方をのぞいて、残りの方はネガティブな理由。それは、授業についていけなかった、モチベーションが続かなかったことが原因に当たる。


どうしてこういったことが起きてしまうのか。

クラスメイトには、業界経験者も居れば、業界未経験者もいる。生徒の半数は何かしらで建築に関わった職歴を持つ方、残りの半数は全く別の業界で仕事をしていた方だ。

身も蓋もない話だが、脱落をされた方のほとんどは「業界未経験者」の方。つまり、”イメージしていたものと違った=「憧れ」を抱いていた”方。

ミスマッチが起こらないよう、学校職員やハローワーク担当者の方も入校前に注意喚起を行なってはいるようだが、受講者が「勉強する!」と心に決めた後では、聞く耳持たずの状況になることが大多数である。


自分に合っている、合っていない。
やってみないとわからない、もちろんそうだ。

けれど、人生の大切な時間。
新しいことに時間とお金(職業訓練校であっても参考書代や材料費等はかかる。)を費やす前に、その行動が「憧れ」なのか「興味」なのかを見定めたい。



もしも100万円があったのなら、

どんな選択肢を取るだろうか?

「当分は働かない」

というには心許ない金額かもしれない。けれど、数週間・数ヶ月働かなくても、多少なりとも心の余裕は生まれそうである。


ここで、先ほどの「憧れ」と「興味」の話に戻る。

もし今、自由に使える100万円が手元にあったとしても、その選択肢をあなたは取るだろうか?

ここで、Yesの回答になれば「興味」であり「好き」なことなのだろう。Noの回答であれば、「憧れ」止まりなのかもしれない。

つまりは、時間もお金もあったとして、それでも選ぶ「選択肢」こそ、本当に取るべき選択なのでは、と私は考える。



(まとめ)
私は断じて「憧れ」を否定しているのではない。「憧れ」から「興味」「好き」へと発展していくことはあるし、「憧れ」が原動力になることだって十分にある。

本記事で言いたい「憧れ」とは、上記を除く、単なる「理想」に近いものだ。手が届くかわからない「理想」に向かって、時間とお金をどれだけ費やせるのか、とも言える。

冒頭に述べた、元クラスメイトのあやさんは、業界未経験者であり、理想を追い求める「憧れ」を持つ女性だった。彼女の頑張りはもちろん素敵だったし、賞賛すべきものだった。けれど、その目線が日に日に現実へと向き始め、モチベーションは枯れ果て、学校に来ることすら不可能になってしまった。大切な選択肢と時間を消耗してしまったと、彼女を隣で見てきて感じた。

私にも選択肢を誤った経験は山ほどある。間違えたからこそ、学んだこともたくさんある。

だからこそ、その選択肢のはざまで悩む方の、何かのきっかけになればと思い、記事にした。十分ではない内容ではあるが、ひとつの経験として、ここに記しておく。



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