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ケンブリッジ大学の裏側 3(ローカル対外国人)

Hello, みろろんです。イギリス生活の原点ともいえる職場の話を振り返っています。

私が働いてから最も衝撃を受けたのは、大学町であるがゆえの生活と現実です。

ケンブリッジに限らず大学町はどこもそうだと思うのですが・・・。

学生と研究者は世界中から集まるお金持ち(とは限りませんがはやり国際的に活躍してらっしゃる方は視野も広い)が多かったのに比べ(もちろん苦学生もいましたが)普通に住んでいる人たちはいたって普通です。

私が最初にシェアしていた家は、街中から少し北のエリアでしたが、近所の人々の暮らしはそんなに裕福ではありませんでした。もちろん日本の都会と比べると家は大きかったですが、お金持ち、という感じではありませんでした。

街中はもちろんカレッジ、大学の施設があり、広い公園があります。それらを取り囲むように住宅があるのですが、それらは普通の人が買えるような家ではなく、とても高く借りても月に10万円以上するようなところばかり。当然稼ぎの低い人は住むことができません。

イギリスでは家は古くなればなるほど価値が上がります。そこでお金持ちが家を買い、それを貸す、という仕組みが出来上がっています。もちろん古くからずっと住んでいる人や親から受け継いだ人もいますが、少数派です。

大学で働き始めてよく耳にしたことはイギリス人の愚痴です。実はケンブリッジの町自体はすごく裕福ではありません。(地方都市の予算として)そして、研究者は国際的ですが、スタッフはローカルな人が多いのです。私の同僚はみなイギリス人でした。

学生はcouncil taxなどの税金を払わなくてよいのでイギリス人からすると「生活」がわかっていない、と。日本と同様、公共機関で働く人(警察官、役人など)は自治体からお給料をもらっています。つまり学生が多いほど、自治体の予算が少なくなるのです。

Pat(同僚)は町にゴミが多い、とぼやいていました。それも観光客や学生が汚していく。それなのに清掃員は少なく地元はお金を出すばかり、と。

私はそれまで外国人と一緒にいることが多かったので、そういうことを聞いたことがなかったのですが、日常のように話題になり、気まずい思いをしました。

あるとき、「私外国人だけど・・・」

と言ってみたのですが、同僚たちは

「あなたはTax(税金)を払っているのだから、こっち側でしょ?」

と。

彼らがいうforeigners(よそ者)はどうやら地元に根付いて生活していない人達を指すようでした。

逆に短期滞在者である外国人からすると、物価が高い(観光地料金)、大家さんが不親切、すぐ金を出せといわれるなど不満があり、表立っての対立はありませんでしたが、同じ町に住んでいるけれど住み分けができ、お互い関わりが薄いように思います。

この環境の中でローカル(地元)の人の考え方、イギリス人とは、を学ばせてもらったと思います。

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