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俳句三句 冬


からっ風少なくなった鼻つらら 

さみしさも移ろう空よしぐれ虹

間の山あいのやま野辺で紅さす夕霧忌


近松門左衛門の作品に夕霧阿波鳴門渡と言う演目があります。
実在した大阪一の太夫夕霧をモデルにしたお話で、死の淵にいた夕霧が長く会う事の無かった息子と夫の歌う間の山(「あいのやま」正確には間の山節ですが、間の山とも言います)を聞いて命を繋いだと言う結末を持ちます。
実際の夕霧は若いうちに惜しまれて亡くなったと言われ、夕霧忌は冬の季語になっています。

間の山節は、言い伝えでは三味線弾きがお伊勢参りの人々の前で唄い、金を乞うていたのが始まりとの事。お玉・お杉です。後に編笠を被った流しの門付けによって広まり、花街でもさかんに唄われたとされています。
「花は散りても春咲きて……」と、人生の無常を歌ったものです。
わたしの勝手な妄想ですが、夕霧は太夫の気概を持ったまま旅立ったのではないかと考えました。

万人が良く知る話では無いので、俳句の表現としていかがなものかと、自覚はしております←

近松と言えば、わたしの曾祖父は浄瑠璃に入れ上げた人です。それで身上潰したと言う人もいますが、さすがに眉唾。
曾祖父の家の庭に浄瑠璃の碑がありました。今はお寺さんに寄進されています。

父と伯母、叔母が芸事をたしなんでいたのは、そんな流れなんでしょうかねぇ。

俳句からは逸れた話になっていますが、江戸時代までの古典芸能は、非常にしたたかに伝承されていったと、付け加えておきたいと思います。 


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よろしければいかがですか。

自由律俳句de一語摘み


#俳句 #現代語俳句 #エッセイ

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