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2020年9月の記事一覧

散文詩 まだ遠く

散文詩 まだ遠く

どんな季節にしても、夕方というものは気持ちを鷲掴みにしてくる。
忘れていた事をグッと空に浮かびあがらせて突きつけてくるかのように。
あの時漕いでいたブランコの、キコキコいう音までも。
歓声を上げた汗のほとばしりを。
もう二度と会えない人の皮膚の温度を。
やがてフェードアウトしてゆく切れ切れを、決して掴ませないように、大夕焼けという舞台装置に立ち上らせる。

人の夕暮れ。
ここを越えて、忘れ去る事が

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詩 夜を統べー月讀ー

詩 夜を統べー月讀ー



*ツクヨミノミコト(月讀、月読、月詠)
アマテラス、スサノオと並ぶ三柱のうちの一柱。
記載は非常に少なく、アマテラスと離れる事で昼と夜が分離と伝える。
後に不老不死、豊穣等の祈りの対象にもなる。月を本地とする神。恐らく男であるが、特に性別も伝えられていない。

夜を統べー月讀ー

不老不死とはいかなる戯言ぞ

日輪よ
追うても追うても
こころ開かぬ眩さに
満ちては欠けまた満ちながらえて
男とも

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