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エッセイ・コラム

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2021年6月の記事一覧

神話の語り手よ、そこに拘るか?

神話の語り手よ、そこに拘るか?

太古の海洋ヌンから生まれた最初の神アトゥムの右手は女性である。

古代エジプト神話は実におおらかだ。
エジプト神話のいわゆる文献は、その多くが王墓に刻まれたもので、まとまったひと繋がりの物語として残るものはごく僅か。それも地域によって、或いは神官団の勢力図によってキャラクターとしての神々が入り乱れていると言う。

太陽神ラーを、先に書いたアトゥムと同一視する場合もあるらしい。
また同一視には至らず

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めくるめく

めくるめく

夏は胸の中、郷愁で溢れる季節だ。
他の季節に比べて特別な思い出が多かったのか?と聞かれれば果たしてどうだろう。
単に覚えている事の多くに、その季節は「夏」だったとそれだけなんだと思う。
いや、違うな。それだけ夏休みというものが子供にとって特別だったと、そういう事だろう。

昼間観る3チャンネルの人形劇。
ラジオ体操のカードに増える判子。
毎朝数えた朝顔の花。
駄菓子屋のおばちゃんがプシュっと栓を抜

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詩を書くといいながら

詩を書くといいながら

要は偏屈なだけなのだ。
ポロっと友人に話したのは「わたしはどうもできない」という事。

例えば月を見て何か思う事を詩にしてみようかとする。

「いや、まて。前に月を見て感じた事を詩にしたよな。なら、書かなくていい」になるのだ。

同じモチーフ、似たような気持ち、似た情景。みな、前に書いたから無くていいになるのだ。勿論必ずとは言い過ぎで、二度三度書いた事はある。但しその場合は「主体」にはなって無い場

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