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第3章■光明と陰

・最初の光

第1章で登場した理学療法士の先生に僕たちの事情を話したら、面白い取り組みなので連携をとってみませんか?というお言葉を頂き、早速復帰の目処が立ちました。

先生は今村さんという方で、リハビリテーションの在り方やこれからの仕事の在り方、人間の生き方など、未来をしっかり見ている方だなと思い尊敬の念を抱いてましたので、今村さんに最初に相談を持ちかけました。

必ず何かやりましょう!というお言葉に強く後押しされて、目星をつけていた車を購入しクラウドファンディングを決意したのでした。


・踏み出した一歩

お会いした数日後、早速今村さんからメールが届きました。

「病院や有志の方が集って管理している農地があって、将来的に障がいがある方も利用できるよう思案している場所なんです。
そこで畑の収穫祭をやるので、キッチンカーで出店しませんか?」

具体的なお誘いを受けて、僕たちの夢は一気に動き出しました。
購入していた車を急ピッチで整えて、福岡市と久留米市両方のキッチンカー営業の登録申請をしました。

準備に日々追われながら収穫祭の告知をすると、一件のメッセージが届きました。


・温かいお便り

メッセージはオーガニックキッチンRe:Cell Kitchenのオーナー栗原さんからで、大樹の復帰第1戦のお手伝いに駆けつけてくださる、という内容でした。

Re:Cell Kitchenさんは、開業の際に大樹がメニューのプロデュースを行った、天神の今泉にある温かみのある素敵なお店です。

退院してから、近いうちに挨拶に行こうと兄弟で話し合っていたところにご連絡を頂き、この頃はまだ大樹も人に会うのは少し緊張するようでしたが、渡りに船でしたのでこの機にご挨拶に伺いました。


・大樹という男

栗原さんが、友人として目を潤ませて再会を喜んでくださる姿を見て、僕は幼少期に大樹に抱いていた羨望の感情を思い出しました。

大樹は子どもの頃から人当たりがよくて物怖じせず、色んな方から可愛がってもらっていて、幼い頃の僕は人見知りの性格もあって、羨ましく思いながらよくヤキモチを妬いていました。

年子なので、自我が芽生える頃にはたくさん喧嘩もしました(しかもなかなかハードな。笑)

ですが、大人になって大樹が繋いできた縁や人のこころの温かさを目の当たりにして、とても心強く感じました。
大樹という人間を正しく世の皆さまに伝える、これが自分の役割だ、そう思いました。


・復帰への希望と射した陰

栗原さんやスタッフさん総出で収穫祭のお手伝いに来ていただけるということで、僕も大樹がどれだけお客様への接客が出来るかなど心配もあったので、お言葉に甘えて参加していただくことになりました。

心強い味方と、完成した自信作メニューたちを携えて、大樹の復帰第1戦目である収穫祭を迎えることになったのです。

この時点では、全てが順調でこのまま成功するだろうと思っていたのです・・・


【続く】

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