椎名みどり

面白そうだったので書いてみました。 このブログで扱う物語は、フィクションです。現実の組…

椎名みどり

面白そうだったので書いてみました。 このブログで扱う物語は、フィクションです。現実の組織や人物、キャラクターとは、一切関係ありません。

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暗転 急

「もう一回、着て見られましたか?」 「はい、先ほど着てみました」 「そうでしたか、なら大丈夫そうですね」 結城さんの時折、あざとい仕草を見せる。しかし、かわいい娘…

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暗転 破

「入ってからやってく方が楽だと思うので、頭の方からかがむようにして入って。おっと、言い忘れてた、着るときに靴は脱いでお願いします」 靴を脱ぎ、かがむようにして頭…

暗転 序

関係者以外立入禁止と書かれたドアをノックする。 「どうぞ~」 どこか聞き覚えがある声だなと思いつつ、重厚感のある銀色のドアノブに手をかけた。 「失礼します。本日…

暗転 急

「もう一回、着て見られましたか?」
「はい、先ほど着てみました」
「そうでしたか、なら大丈夫そうですね」
結城さんの時折、あざとい仕草を見せる。しかし、かわいい娘を演じている姿は、人間味が感じられ嫌いではない。

「私、事務所にスタッフコート取りに行ってきますので、少し待っていてくださいね」
先ほどまでは、何とか理由をつけて仕事を断るとつもりだったが、結城さんの遅刻という急展開により、今更、言い出

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暗転 破

「入ってからやってく方が楽だと思うので、頭の方からかがむようにして入って。おっと、言い忘れてた、着るときに靴は脱いでお願いします」

靴を脱ぎ、かがむようにして頭の方から入っていく。着ぐるみ内はかなり狭く高さもなかったため、かがむというよりは、地面を這うような形で着ぐるみ内へ入ることとなった。
キャラクターの目の部分は透明なアクリルのような素材で出来ており、そこから視界がとれる構造になっていた。し

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暗転 序

関係者以外立入禁止と書かれたドアをノックする。

「どうぞ~」

どこか聞き覚えがある声だなと思いつつ、重厚感のある銀色のドアノブに手をかけた。
「失礼します。本日、バイトでお世話になります”安野秀樹”と申します。宜しくお願いします」

事務所には、スタッフコートを着た白髪混じりの男性が一人、コーヒー片手にパソコンと対峙していた。向こうもこちらに気づいたようで、表情に笑顔を作りこちらへ向かってきた

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