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報告/「お金のいらない国」朗読対話会

ミドルパーク運営のさわです。

2022年10月から12月にかけて、
全4回にわたって、
「お金のいらない国」朗読対話会を開催しました。

回を重ねるごとにどんどん対話が深まって、
すばらしい場となりました!
参加してくだったみなさま、
ありがとうございました!

たくさんの気づきにあふれているので、
ご報告しますね^^

全4回の流れ

全4回で、まるで、起承転結をなぞるように、
場がすすみました。

あらかじめ意図したわけではないのですが、
トオラスメンバーのAKIさんが毎回参加してくださって、
毎回、的確な「場の見立て」を伝えてくださったことで
このような進行が実現しました〜♪

まず第1回は、
「お金のいらない国」の「キモ」と呼べる部分の
あらすじを読んだり、朗読をしたりして、
「お金」を主語にして対話し、
現実的な問題を語り合う時間になりました。

そして第2回は、
AKIさんの提案により、
「お金」ではなく「人の幸せ」を主語に対話しました。
ありたい姿や理想論について、
自由に対話しました。

第3回は、
「お金のいらない国」第1巻の残り部分を読みつつ、
それまでの2回を踏まえて、
それぞれが現実に向き合う時間になりました。

そして第4回、
それまで参加してくれたメンバーからの提案で、
「ありたい社会」について話し合いました。


第1回の振り返り

第1回は参加者6名、以下のような発言がありました。
・お金があると豊かな気持ちになれる。
・「お金が必要だ」という洗脳から「脱・洗脳」された感じがする。
・お金には人に優劣をつける力がある。
・お金がなくても結局はなんらかの「序列」ができるのでは?(例:より奉仕する人が偉い)
・この物語は性善説の上に成り立っている。
・自分の経験から、「アンチお金」になるのは違う。
・お金がないと「発展」がなくなるのでは?
・今の社会では、お金がないと心が安定しない。
・欲をコントロールできるのであれば、お金はあってもいい。
・お金のいらない国では、「働かない選択」が許されない。働かないことの罪悪感が大きい国なのでは?
・お金をもらうことを目的に働くと、最小限のことしかしたくない
・経済とは「貨幣経済」「自給経済」「贈与経済」の3つからなる。3つのバランスで成り立つのが「本来の経済」だが、バランスをとるのは難しい。
・農家なので食べ物の蓄えはあり安心だが、同年代の貯蓄率を聞いて、子供の学費などが不安になる。
・結局大事なのは、「お金の使い方」ではないか?
・(学費の話から)そもそも、なんのために学ぶんだろう?
・今の社会に適応して生きている人には、「お金のいらない国」のような世界観に関する議論はキツい。
・お金があるからといって必ずしも幸せとは限らない。      


第2回の振り返り

第2回は参加者9名、
「お金のいらない国」著者の長島龍人さんもご参加くださいました。

AKIさんからの提案で、
「お金が主語のループ」ではなくて、
「人の幸せが主語のループ」で話す、ということをしました。

「人の幸せが主語のループ」とは、
・人はみな幸せに生きる権利がある
    ↓
・まず自分の根底にある欲求を知る
             ↓
・他者に役立つことで欲求を実現する
    ↓
・人々がやりたいことの総和と人々が必要としていることの総和が一致したら最高!

参加者から、以下のような発言がありました。
・「他人に役立つ」のが本当に幸せへの近道?
・「奉仕」とか「人の役に立つ」というのと「自己犠牲」は似て非なるもので、個人の深い欲求は、他の人の願いにもつながるはず。
・母の自宅介護で、本当の意味での「人の役に立つ」ということを体験した。母が「ありがとう」と言うのが、自分の役に立ちモチベーションとなり、「お金がもらえなくても心からやりたい」と思った。
・「お金のいらない国」に限りなく近い、循環するコミュニティは存在するし、可能だと思う。
・人が助け合いをして生きるのは本来は当たり前なのに、いまは各家庭が孤立している。
・密度の濃すぎるコミュニティは窮屈なので、自由を求めて人は都市に出て行く。
・「助け合いの良さと自由さ」とか、「与えることと受け取ること」とかを行ったり来たりするなかに「動的安定」があるのではないか。「どちらか」ではない。
・人それぞれの価値観は違っていい。自分はどうしたいのか、自分はどんな社会だったらいいのかを考えて欲しい。


第3回の振り返り

第1回は参加者6名、これまでの2回を受けて、
・あなたにとっての幸せってなんですか?
・自分がどんなだったら幸せか、とことん考えたことある?
こんなテーマで対話しました。

以下のような発言がありました。
・一緒に仕事したい人と仕事できていることが幸せ。
・職場で理不尽なことが多い。幸せって、理不尽じゃないことかも。
・自然の美しさに触れるときが幸せ。
・学んでいるときが幸せ。
・瞑想で内から湧いてくる幸せを感じられる。条件によらない幸せ。
・関わる人の思いや持ち味が自然に解き放たれて重なって、一緒になにかできるのが幸せ。
・この場にいられるのが幸せ。
・ベットで寝られる幸せ。
・考えたこともなかった。「幸せ」という言葉を発するのも恥ずかしい。
・自分が好きなことをできるのが幸せ。
・幸せは無限大。
・ありがとうが循環するのが幸せ。
・理不尽を断ち切る勇気があれば幸せになれる。
・孤独に暮らすことを考えると先行きが不安。
・瞬間の「幸せ」のための、大変さや理不尽さ?
・昔が理不尽だったから、今が幸せだと感じられるのでは?
・生きてさえいれば、幸せは、いろいろな形で見つけられる。
・この場から幸せをもらっている。
・幸せは相対的なものではない(他者と比べたり、過去と比べたり)
・幸せに「なる」のではない、今が幸せかどうかだけ。
・幸せは、自分の心が決めるもの。


第4回の振り返り

第4回は参加者6名、
再び、著者の長島龍人さんもご参加くださいました。

テーマは、
「あなたにとっての"ありたい社会"ってどんな社会?」

以下のような発言がありました。
・「お金」は徐々に要らなくなってくると思う。今は過渡期。
・お金がなくても、誰もが「そこに居ていいよ」という社会
・同調圧力に振り回されない社会
・貧富の差がなくなり、誰もが生きていることに意義を感じる社会
・みんなが幸せで、みんなやりたいことができる社会。
・みんながやりたいことが誰かの役に立ち、連鎖する社会。
・「やりたいこと」でもやりたくない時もある、それを許容する寛容な社会。
・同調圧力から解放されると嬉しい
・許し合える社会。
・お金のために働く社会は窮屈な社会。
・だれもが「自分の考えをもつ」のが重要。
・理不尽な職場、やめちゃえばいいじゃんって言えない世の中に怒りを感じる。
・仕事だと本性が出て、うまくやれない。一緒に遊べる人でも。
・理不尽な場にいるからこそ、将来の目標ができたりもする。
・会社で、期限を設けずに一人の人を深く知ろうという取り組みをしている。
・人を知るには時間がかかり、売上至上主義と相容れない。
・人を変えようとするのはルール違反。本人が変わりたいと思うかどうか。
・会社は売上のために、人間関係の質をアップさせようとしていて、純粋じゃない。
・目的がたとえ純粋じゃないとしても、人と人との関係に取り組むことは素晴らしい。
・仕事だと本性が出て、うまくやれないのはなぜ?お金がからむから?
・逆もある。友達としてならいいけど、この人とは仕事したくないということも。
・たとえば遅刻やすっぽかし。遊び・友達だと許せる。仕事だと許せない。なぜだろう?
・効率的に売上を求められる仕事では、余裕がないからミスする人とはやれない。
・仕事だと、自分のペースが崩されるとモヤモヤする。
・ここは、自分を見つめ直せる機会。
・人間関係は難しいが、そこから学ぶことは多い。何か起きたら、そこから、何が起きたかを考えればいい。
・幸せとは、現状に満足することだと思う。
・介護で、「してあげる」のではなく「させてもらえる」ことの大事さを学んだ。「お金のいらない国」の人々は対等な関係なんだと思う。やりたい人ばかりでも成り立たない。してあげる人としてもらう人との絶妙なバランスが必要。
・言葉の力。「ありがとう」が原動力になる。


ここまでを振り返って

最後の回で、「ありたい社会」について、
「みんなが幸せな社会」という意見が多かったのが
とても印象的でした。

誰も、自分だけが幸せになればいいとは思っていない。
人はそもそも、
誰かの不幸の上に自分の幸せがあっても、
それを幸せとは感じられない生き物なのかもしれません。

世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない

有名な、宮沢賢治の「農民芸術概論概要」の一節です。

自分が幸せになってから、
世界ぜんたいの幸福をめざすのではないと思います。

それらはつながっていて、一体のものだから、
両方いっしょに目指す。
みんなで目指す。
「ありたい社会」は、だいたいみんな同じなのだから。

4回の対話会を終えて、
そんなことを考えています。


今後の予定

今後も、ミドルパーク内では、
「お金のいらない国」の
第2巻以降を、みんなで味わいつつ、
対話していくことにしました。

第2巻は「結婚・家族」
第3巻は「病院」
第4巻は「学校・教育」
それぞれが、「お金のいらない国」ではどうなっているのか
とても興味深いお話ばかりですよ♪

ここまでの全4回の対話会のアーカイブは、
ミドルパーク入会でご覧いただけます。

興味のあるかたは、ぜひ入会をご検討くださいね♪
お待ちしております!


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