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天の川

万葉集には天の川の歌が132首もあるとか
どれもとてもエロティック
ここには書けない意味のものも


天の川
相向き立ちて
我(あ)が恋ひし
君来ますなり
紐解き設(ま)けな

山上憶良

天の川、この川に向かい立ってお待ちしていました。いよいよ、愛しいあの方がお出でになるらしい。さぁ、衣の紐を解いてお待ちしましょう。


一年(ひととせ)に
七日(なぬか)の夜のみ
逢ふ人の
恋も過ぎねば
夜は更けゆくも 

柿本人麻呂

1年のうちこの7月7日の一夜だけ逢う人の恋の苦しさもまだ晴れないうちに、夜はいたずらに更けてゆくのだなあ。


短歌のあの五七、五七と繰りかへして最後に更に七とつけ加へた、短小ながら確乎として音楽的形式を踏んだ、嫋嫋(じょうじょう)とした詩語の纏繞性(てんじょうせい)は、他の如何なる主題を選んだ場合よりも、恋愛を歌ふに適当してゐると言つても、必ずしも牽強(けんきょう)の言ではあるまい。

万葉集の恋歌について / 三好達治



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