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だって、生まれたんだし 

今日は会社で、小さな子たちと、
お人形さんで遊んでいた。

シルバニアファミリーと、アニアという恐竜、動物フィギュアがみんなごっちゃに
共存する世界が出来上がる。

シルバニアファミリーのおうちは、あっと
いう間に、恐竜や強い動物に支配され、
本家シルバニアのかわいいどうぶつたちは
床に転がるしかなかった。

しかし勇敢なにわとりだけは微動だに
しなかった。↑これ


にわとりを飼っている、7羽も。
ぜんぶめす。
この時代に、仕事でもなく、けっこうな
数のにわとりを飼っていると、人に驚かれる。

で、卵食べられていいね、てみんなゆう。
しかし、うちのにわとりは卵を産まない。
産む時期を終えた、用無しになった
にわとりばかりを、タダでもらったのだ。

なんで卵も産まないのに飼ってんの、と、
だいたいのひとが苦笑する。
犬や猫は、なんも役に立たなくても
いいのに、なぜかにわとりは
役に立たないとだめらしい。

役に立つ事といえば、草を食べてくれるから、
移動できる小屋にして、あちこち移動して
草むしりをしてもらい、うんちをしてもらい、
そのあとに野菜を植えたりしている。
役に立ってんねん、ちゃんと。

犬や猫はかわいいが、
にわとり、かわいいか。と聞かれたら
べつにかわいくない。
すごく茶色で、どうもうな顔をしていて、
がめついし、節操がないし、懐かない。
賢さもあまりない。
うわ、悪口ばっかりでてくるやん。。

それぞれに、名前もつけてない。
家族みんな、
「ばあさんたち」
とか
「ババア」
と呼んでいる。
親しみを込めて。

しかし実際、彼女らがばあさんなのかどうかも
わからない。もしかしたらおばさんくらいかもしれない。年齢も寿命も、知らないのだ。

世話をしているのは、わたしと、boy(14歳
息子)だけで、夫と娘は、全く関心がない。

べつにかわいくないのなら、どういう気持ちで
飼っているのか、と聞かれたら、
「がんばれよ」
と、思っているだけだ。

わたしも、もう赤ちゃんを
産めない年齢になったこともあってか、
ばあさんたちに、親近感だけはある。

今は、「ババア、暑いけどがんばれよ」と
毎日、声をかけている。
心の中に、毒蝮三太夫がいる。

がつがつと、エサを取り合っている
ばあさんたちを眺めながら、

こんなに生命力があるのに、
通常ならとっくにころされているなんて
わけわからんな、と思う。


スーパーで買って食べている鶏肉は、通常
生後3ヶ月くらいの若鶏だそうだ。
つまり食肉用の鶏は3ヶ月の命。
動くと肉が固くなるから、動ける範囲は
B5サイズのコピー用紙の大きさ、という
養鶏場もあると、聞いたことがある。
考えただけでしんどくなる。
地鶏はまた、違うと思うが。

卵を産むためのにわとりは、生後2年もたてば
お役御免になり、あとはどうなるのか
知らないが、まあ、普通は飼い続けては
もらえないだろう。

なんの因果かうちにきて、通常より長い余生を
送ることになった、ばあさんたち。

この先、食べられてしまうのか(わたしに)、
寿命をまっとう出来るのか、わからないけど、
とにかく、人間の役に立たなくなれば
ころされる、なんて、ばかげている。

まだまだげんきで、こんなにパワーに
溢れている生き物を、かんたんにころすとか
なんか、ちょっと違う。

まあ、鶏肉はうまいけどね。

とりあえず、
生きられるだけ生きたらいいやん、
と思っている。

だって、生まれたんだし。

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