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boyのうたやんか

boy(息子)は、学校に行っていない、
と書いているが、中学一年生の頃から、
ひとつだけ、続けていることがある。

それは、吹奏楽部の合奏。


去年は週に1.2日だったが、
今は週に3日くらい、合奏の練習だけに行く。
だいたい部活が始まるくらいの時間に行く。

吹奏楽部で、ある楽器に出会い、
すきになってしまった。
楽しくなってしまった。

楽譜も読めなかったのに、曲が吹きたいが
ために、読み方を習い、少しずつ上達
していった。

全然学校に行けないときは、家で練習した。
田舎だから、プープーやってても
だれも文句なんかいわない。
近所の人に、
最近上達したねえ、と褒められるくらいだ。

今まで、吹奏楽部の演奏をする機会には、
なんとか全て、参加できている。

学校での吹奏楽部の出番は

入学式
卒業式
部活紹介、体験
体育祭

くらいだ。
この4日だけ、boyは全校生徒の前に
姿を現す。

レアキャラ。
大変にレアなキャラクターだ。

公立中学校の吹奏楽部は、意外と忙しい。
無料で演奏してくれる、盛り上げ係として、
重宝がられている。

地元の老人会、
保育園のクリスマス会、
道路の開通式

など、に呼ばれる。
忙しいときは月に2回ほどお披露目が
ある。
演奏すると、クッキーや、保育園などから
手作りのお土産など、心ばかりのお礼を
もらって、帰ってくる。

保育園のクリスマス会に呼ばれて演奏した時
子供たちが牛乳パックで作った、
手作り小物入れ
をもらってきた。

牛乳パックで作りましたけどなにか?
というくらいの完成度ではあったが
boyは嬉しそうにものを入れていた。

何ヶ月か経ったので、埃もかぶってきたし、
まあもうそろそろ処分しても
いいのかな、と思ったわたしは、boyに

「これ、まだいるかなあ?」

と確認をとった。
勝手に人の物をすててはいけないから。
するとboyは、信じられない、という
顔で目を見開いて、

「捨てていいわけないだろ、こどもたちが
作ってくれたものなのに」

と言った。
ほんとうに心のやさしい男子なのだ。

わたしはほんとうに反省。
だめなお母さんだな。

もうちょっと、貼れたとおもうが?


boyにとっては、演奏が中学生活の全部だ。
部活の皆を、

「吹奏楽部員だからといって、友達ではない」

などとカラいことを言うboyだが、
村祭りでの演奏のあと、振る舞って
くれたうどんを部員みんなで食べたらしい。

こういうのを、学校の思い出って
ゆうんだろうな。

と迎えに行ったわたしに、ボソッと言った。


昨日はboyの学校の卒業式だった。
2年生のboyは、無事に演奏を終えて、すぐ
ひとり学習室にむかった、という。
教室に入ることはできないからね。

よくがんばったよ。
たまのレアキャラ登場は、緊張するよな。

卒業式で演奏した曲はこれだったらしい。

boyの歌やんか、といつもおもう。
とてもいい歌だ。



lisa500mlさま
イラスト使わせてもらいました。
ありがとうございました!

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