見出し画像

信じる、それしかねえな

boy(14歳息子)の、五者面談をした。
boy、わたし、夫、担任、学年主任の5人。
内容は、もちろん、高校どうする?て話。

わたしと夫が、五分遅刻して学校に到着すると、先に学校で待っていたboyは、
いつも青い顔をますます青くして、
目の下のクマをますます黒くして、
待っていた。
わたしたちの顔をみて、
おまえら。おせ〜わ。
という表情で溜め息をついた。

席にすわり、皆それぞれに、今思っている
事をぽつりぽつり、と話す。

ちなみにboyの中学校生活は、
学校との関わりは、吹奏楽部の部活のみ
だった。毎日ではないが、とにかく
部活だけは続けたのだ。

boyは、
週に5日、通うのはむりです、
と言った。
それから、高校に通う事が不安、と。
通信は、自分で計画的に勉強とかできそうに
ないから、それも不安。
と言った。

夫は、
なんか、節目がきちゃったみたいなんで
決めなきゃいけないみたいなんですけど、
息子の身体の状態から考えたいです。
時間がもっとあったらなって感じで。
心身の状態を優先させたいんで、
行く気になったタイミングで
高校、でもいいかなって。
みんなに合わせなくても。
養える間は、養います。
と言った。

わたしは、
勉強をしないままでも入れる高校、
つまり面接だけで入れる学校がたくさん
あるんだけど、
友達が今勉強を頑張っている中で、
勉強もせずに、今のまま高校生になっても
いいのか、もやもやしてます、
みたいな事を言った。

すると夫が、あきれた顔で、

そういう事ゆうから、萎縮しちゃうんすよ

と、先生の前で、わたしをとがめた。
そして、思っている事を言った。

この人、やりたい事があったら、
やれるんですよ。
吹奏楽部の朝からの練習があったら、
7時だって起きて行くんです。
普段昼まで寝てても。
だから、信じてるんですよ、
それが見つかれば、大丈夫な人なんだって。
今願ってることはひとつだけで、
最後の演奏会、思いっきりやれたら
それでいいです。
それだけでいいです。
期待かけすぎてたら、ごめんやけど。

と、いうようなことを言って、
ヘラヘラ笑いながら
boyの肩をぽん、と叩いた。

3年前。
中学校に入学するboyは、すでに5年生から
不登校だったため、
中学校に上がるタイミングで
面談を持ってもらったとき。
夫は、

この人のことね。信じてるんですよ。

と言ったあと、言葉を詰まらせて
泣いてしまった。
人目もはばからず。

でも昨日は、泣かなかった。
ヘラヘラして、笑っていた。
それをみて、
ああ
3年前、信じてるんです、といいながら、
信じたいんだ、と思って泣いたのか。
それが、
ほんとに信じている、
に、変わったんだな、この3年間で。
と思った。

わたしは、夫の意見は、なんだかんだ
言って、間違っていないと思うんで、
いろいろ心配はありますけど、
夫の意見にしたがいます。
とりあえず、わたしと夫が、
同じ方向を向いていたいです。
と言った。

わたしはしんぱいをすぐに口にしてしまい
よく叱られる。

でも、だから、
夫の素直な意見も聞けたんだ、
と思う。
今回の面談は、意義があった。
boyは始終、能面のような表情をしていたが。

夫が、boyを信じている、と伝えたこと。
わたしが、夫を信じている、と伝えたこと。

もちろん、わたしも、boyのことを
信じている。
こんなやつ、信じられるか!
と思う日もあるけどね。

帰りの車で、夫は、

「あー、いい人を演じるのも疲れるわあ」

と言った。

boyはなんだか、夜には元気になり、
次の日は早く起きてきた。


ダラズさま
イラスト使わせて頂きました。
ありがとうございました!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?