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そうなんだね。OK。

耳から情報を入れるのが苦手、というひと
がいる。
夫もそのひとりだ。
例えばわたしが、

「今日、中学校で同級生だった友達に
会うの。
10時に出て、昼ご飯食べてくるね。
15時になったらbabyちゃん(娘)の
お迎えに行って欲しいんだけどいい?
帰りは17時くらいかなあ。
実家に寄ってから帰ってくるよ。」

と、言ったとする。
今言ったこれ、夫の頭に入ったか、
というと
たぶん5%くらいしか入っていない。

今、嫁がなんかめっちゃ喋ってきたな。

くらいに思われて、終わりだ。
これを伝えるときわたしは、

「今日お昼ご飯、友達と食べてくるね。
10時に出て、17時に帰ります。」

だけ言う。
で、少し時間を置いてから、
お迎えのことを頼む。メールで頼むかも。
帰ってから、同級生に会った、父母にも
会った、と言えばいい。

いつも気をつけているのは、
いっぺんにいっぱいのことを言わない。
という事。
これはただ単に、夫の

「耳からの情報処理が得意でない」

という特性であって、夫が劣っている、
という事ではない。
夫は私より賢いし、文章力もある。
夫の作成した事業計画書のおかげで
開業できたと思っている。

本人はこの特性で、生きていくのが
大変だったと思う。
様々な場面で、
さっき言ったよね?
とバカにされてきただろうし、
人並みにできないという劣等感がある。

だけど、こういうひと、たぶん多いよ。

ふつうに見える。
ふつうに会話できるし、勉強だって
できるから、気づかれにくい。

ふつうの人と同じようにできますよね?
という前提で、接して来られて、
でもいろいろ、できることやできないことに
デコボコがあり、がっかりされ。
へんなやつ扱いされ。
できないやつ扱いされ。
なんか、だめだあーってなって。

学校やめたり仕事やめたりせざるを得なく
なる。

「耳からの情報処理が得意でない」

ことは、どうにもならない。特性だから。
じゃあ。どうしたらって。

周りが対応を工夫すればいいだけのこと
なんだよねほんとは。


私と夫は、障がいを持つ、と言われる
子供たちが通う学童のようなものをしている。

この子達にも共通しているのが、

「耳からの情報は入りにくい」

という特性だ。
だから私たちは予定や伝えたいことすべて、
視覚的に伝える。

「3じになったらおやつたべて、
4じからクッキングするよ。
5じにお母さんくるから、4じ50ぷんに
なったらお片付けしようね」

なんて言ったってしょうがないのだ。

今言った事をボードに、文字のわかる子は
文字で、読めない子には絵カードで、
順序立てて見せると、彼らは見てくれる。
これが手がかりになって、行動できるから。

言葉かけなんて、0でもいいくらいだ。
スムーズ。
変われるほうが、変わればいい。


「障がい者」
なんて呼ばれていなくても

世の中生きづらいなあ
しんどいなあ
人と同じようにできないなあ

て、思って生きてるひとは、ごまんといて。

障がいがある人、とかない人、とか
パキッと分けられる?と思う。
世の中に普通の人なんていないやん。

わたしも、まだ治療法のない睡眠障害の、
ナルコレプシー保持者だから、
なかなかに毎日たいへん。
夫も、そういう訳で、たいへん。

だけど、生きていかないといけない。
障がい者手当なんて、もらってないんだし。

その特性は、どうにかなるものでは
ないのなら、思い切って、勇気を出して
相手に伝えてみるのもひとつ。

自分はこれは苦手だけどこれはできます。
こんなやり方で伝えてもらえばわかります。
こんな時はこんな対応してもらえたら
助かります。

って。
できれば悲しい顔じゃなく、笑顔で、伝える。
できないこともあるけど、人よりできること
だってあるのだ。

わたしも、体質のこと、職場のみんなには
伝えている。
伝えておかないと、迷惑になるから。
生きていれば、それを隠していられないとき
がある。

いつも、カミングアウトは、勇気がいる。
は?という反応もあるし。

でも、

そうなんだね。OK。それでも
あなたと一緒にいたいからやってみる。

と言ってくれるかもしれない。

結局、受け取る側に、余裕があるかどうか、
にかかっているな、と思う。

受け止めてくれなかったって、
自分のせいじゃなくて、
相手に余裕がなかっただけ、だと思おう。

多様性のある社会、はもう実現している。
びっくりするくらい、みんなそれぞれだもん。

実現していないのは、
多様性「を受け入れる余裕のある」社会。

「余裕」

「よゆ〜」
て書くと、らしくなって、いいな!


cyoroさま
イラスト使わせてもらいました。
ありがとうございました!










でも、拗ねていてもしょうがないね。


みんなが余裕のある世界にな



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