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これまでのSDGs投稿まとめ【その4】: 目標10〜12(不平等、まちづくり、つくる・つかう責任)

過去3回の投稿で、SDGsの目標1〜3、目標4〜6、目標7〜9に関わる投稿について、概要を説明しました(↓参照:【その3】目標7〜9)。

本日の投稿では、目標10〜12(不平等、まちづくり、つくる・つかう責任)に関わる投稿について、それぞれの概要について説明します。

1.目標10と目標12には、重要な課題が残されている

概要を説明する前に、2021年 日本のSDGs目標17の通知表(下図)を見てみましょう。

これを見ると、目標10「人や国の不平等をなくそう」と目標12「つくる責任 つかう責任」には、重要な課題が残っていることがわかります。

1-1)パルマ比率とは?

目標10で日本の深刻な課題とされるのは、パルマ比率と呼ばれるものです。

これは、所得の最上位10%と下位40%の所得比のことで、ターゲット10.1には、「所得下位40%の所得成長率について国内平均を上回る数値を漸進的に達成」がありますが、このターゲットに課題があるようです。

その他にも、高齢者貧困率(65歳以上の人口の相対的貧困率)についても、改善されていないようです。

本投稿では、この課題に特に触れませんが、今後、状況を注視し新たな情報が入手できれば、投稿したいと考えています。

1-2)電子廃棄物とは?

目標12で日本の深刻な課題とされるのは、一人当たりの電子廃棄物量と呼ばれるものです。

電子廃棄物とは、バッテリーや電気・電子回路を搭載している電気製品や電子機器(例えば、携帯電話、テレビ、コンピュータ、冷蔵庫、エアコンなど)が廃棄物となったときの総称です。

電子ごみは組成が複雑で、鉛やカドニウムのような多様な有害物質を含んでいることから適正に処理されなければ環境や人の健康へ影響を及ぼします。

日本では、家電リサイクル法や小型家電リサイクル法があり、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、電話、携帯電話等をリサイクルを推進しています。

しかしながら、深刻な課題との評価なので、今後、政府、民間によるさらなる対応が必要なようです。

この課題についても、新たな情報が入手できれば、投稿したいと考えています。

【引用、参照website】
◆国民生活2021.8 website: 増え続ける電子ごみ - デジタル化時代、生活は便利になったけど?

https://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-202108_07.pdf


2.目標10「人や国の不平等をなくそう」に関わる投稿

この投稿は、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」として挙げましたが、実は、目標10「人や国の不平等をなくそう」に大いに関わっています。

ターゲット10.2は「年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、すべての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的な包含を促進する」とあります。

つまり、この投稿で言っている「女性管理職を増やす」ことは、すべての人々の能力強化、社会的・経済的な包含を促進することに繋がって行きます。

本投稿を発信した後、投稿を読んで頂いた方から「女性が会社の意思決定にも携わるほどの存在になると、それをロールモデルとして後に続く女性も増えますね」とか「取り組む裏付けがまだ腹落ちしていない組織が多いように思う」というコメントをいただきました。

本当にコメント通りだと思いました。

本投稿では、デメリットを敢えて記載しませんでしたが、10個挙げたメリットを各企業が関係者に腹落ちさせ、最大限に活かす努力や施策を積極的に行うことを期待したいと考えています。

3.目標11「住み続けられるまちづくりを」に関わる投稿

本投稿は、メインとしては、SDGs目標7、目標4に関する投稿ですが、目標11「住み続けられるまちづくりを」に関わる部分を紹介します。

それは、三井不動産の事例です(下図↓参照)。

三井不動産は、次世代移動サービス「MaaS(マース)」など事業の多角化や生産性向上に向けた業務改革を念頭において、デジタル技術の人材育成のため、約1800人の全社員を対象にDXの講義を行うそうです。

このMaaS(マース)とは、Mobility as a Service(サービスとしての移動)のことで、自動運転やAI等の様々なICT(情報通信技術)を活用してマイカー以外の移動(公共交通、ライドシェア、カーシェア、自動車シェア、タクシー、レンタカー等)をシームレスにつなぐという新たな移動の概念のこと。

MaaS普及により、ユーザーの利便性の他、都市部の交通混雑の解消や過疎地域や高齢者等の交通弱者対策といったさまざまな問題解決に効果があると期待されています。

三井不動産は、近い将来、不動産開発するに当たっては、MaaSのサービスが必須と考えたのだと思います。

このMaaSは、ターゲット11.2の「脆弱な立場にある人々、女性、子ども、障害者及び高齢者のニーズに特に配慮し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、すべての人々に、安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する」に正しく適っています。

今後の三井不動産がどのようにMaaSを推進していくか、非常に興味があります。


4.目標12「つくる責任 つかう責任」に関わる投稿

この投稿は、味の素がイスラエルの培養肉新興に出資したという記事から、培養肉とSDGsとの関係について説明したものです。

「培養肉」とは、ウシやトリ等の動物から取り出した少量の細胞を、動物の体外で増やしてつくる「本物の肉の代用品」のことです。

培養肉製造の一連の工程には、ニワトリの卵から取り出した細胞の培養が含まれ、タンパク質、脂肪、糖類、ミネラルやビタミンを含む植物由来の液が、細胞培養に使われています。

細胞の成長が早く、ものの数時間で倍に育つそうです。

この技術を商業ベースに乗せるために、味の素の発酵技術を応用して、培養スピードを飛躍的に上げることになると思われます。

食肉に関しては、現在、動物の生命を奪ってつくられたもののうち、かなりの量が賞味期限切れなどの理由で食べられることなく捨てられているという「フードロス」の問題があります。

この培養肉技術が商業ベースで普及すれば、目標12のターゲット12.3「小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる」ことが可能になると思います。


5.さいごに

目標10「人や国の不平等をなくそう」では、女性管理職を増やすメリットを認識することが、ジェンダー平等の第一歩であると改めて認識しました。

日本にとって、ジェンダー平等は重い課題ですが、それ以上、「パルマ比率」の課題がより深刻であることを知り、ショックを受けました。

SDGsを推進するには、まず、現状・現実を理解することが大事だと思いました。

目標11「住み続けられるまちづくりを」では、「MaaS」を取り上げ、目標12「つくる責任 つかう責任」では、「培養肉」を取り上げましたが、SDGs目標を達成できるような革新的技術が次々出て来ていることが非常に頼もしく感じました。


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