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日経新聞 気になる環境に関する記事:「CO2貯留技術」「イオンモール 全電力、再生エネ転換」「JR系 低コスト超電導で送電損失ゼロ実用へ」

最近、1週間の日経新聞の中から、気になる環境問題に関する記事を3つピックアップし、コメントしました。

本投稿に記載した内容は、日経新聞の記事そのままではなく、私のコメントや他の情報も踏まえて書いていますので、できれば、記事の内容と照らし合わせて読んで頂けるとありがたいです。


1.CO2貯留、30年までに 経産相インタビュー 火力「一定程度は必要」【日本経済新聞(2022.1.8朝刊)】

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記事の内容に入る前に、日本の2030年の一次エネルギー予測を下図で見てみると、まだ、再生エネルギーが13〜14%、原子力が10〜11%となっています。

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本記事では、2050年、カーボンニュートラル達成に向けて、経済産業相として、どのような考えを持って推進しているかを知ることができ、非常に興味深かったです。

本記事の内容は、日経新聞社による萩生田光一経済産業相へのインタビューを記載したものです。

萩生田氏は、欧州が今後、再生可能エネルギー拡大による火力発電を急激に減少させている状況を踏まえながら、日本独自の路線を示していました。

その中で、今後のエネルギーの考え方を要約すると

❶CO2を回収して地下に埋める技術を2030年までに導入(現時点で世界でもほとんど実用化されていない)

国民の暮らしや産業を守る上で、電力の安定供給に火力発電は必要

❸原子力はカーボンニュートラルを目指す以上、使用を継続(但し、安全性最優先)

の3点を挙げていました。

そして、日本独自の仕組みをイノベーションの力を信じて不断の研究を進めて行くとのことでした。

これらを踏まえると、2050年のカーボンニュートラルに向けて、

① 再生可能エネルギーは飛躍的に増えることはなさそう。

② 原子力は、ある程度の割合を残さざるを得ない(もしくは増やす)。

火力発電のCO2削減のために今回のCO2回収や水素エネルギー等の新技術を追求していく。

という考え方のようです。

なんとか、日本ならではの新技術を開発して、日本だけでなく世界のCO2の課題を解決して欲しいと思いました。

特に私は、このCO2貯留技術を大いに期待します。


2.全電力、再生エネに転換 イオンモール国内160ヵ所【日本経済新聞(2022.1.11朝刊)】

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前の記事に関する説明の中で、再生可能エネルギー(以下、再生エネ)は、飛躍的に増加することはないと記載しましたが、そんな中、この記事は朗報です。

イオンモールの年間電力消費量は国内の電力消費全体のわずか0.2%のようですが、この再生エネ導入の取組みは非常に影響力があると思いました。

自ら太陽光発電のパネルを設置するとともに、メガソーラーなど発電事業者と長期契約を結び、発電した再生エネを全量買い取るようです。

こういう動きが他の大型小売店や他業界に広がっていくこと、そして、政府がその状況を的確に判断して、2050年カーボンニュートラルに向け、財政投入を含む舵取りをし官民一体、オールジャパンの取組みが広がって行くことを望みたいです。


3.送電損失ゼロ実用へ JR系、超電導低コストで 脱炭素後押し【日本経済新聞(2022.1.13朝刊)】

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超電導とは、ある種の金属や合金を極めて低い温度に下げると電気抵抗がなくなる現象です。

これまでも、交通・輸送分野ではリニアモータ―カー等に、医療分野ではMRIや脳磁計等に利用され始めている技術です。

この記事によると、鉄道総合技術研究所が、送電時の損失がほぼゼロの技術「超電導送電」の実用段階に入ったとのことです。

これまでは、極低温にするためにコストが掛かり、実用化ができていませんでしたが、新技術により大幅にコスト削減を図ることができたようです。

現時点では、複数の鉄道会社が採用に関心を示しているとのことですが、私は、再生可能エネルギー分野での利用を大いに期待しています。

それは、太陽光は夜間、発電できない、風力は風がやんだら発電が止まり、供給が不安定であるという課題を解決できるからです。

電気は貯蔵できないので、不足電力は火力発電等の電源で補うか、電力に余裕のある地域から送電してもらうしかありません。

しかしながら、この技術を利用すると長距離の送電でもロスがないので、電気の融通が簡単にできるようになります。


4.最後に

最近の日経新聞には、毎日のように環境問題に関する記事が載っています。

今回の記事のように、2050年のカーボンニュートラル達成の目標に対して、徐々に技術の芽が出ている印象があります。

多分、特許等の関係もあり、このような新技術の記事は、技術の目処が立ち特許出願した後にしか掲載されません。

そういった意味で、これらの技術の他にも、まだ記事になっていない画期的な新技術が控えていると思うと、嬉しくなります

政府が明確な目標を決め、民間企業がそれを達成するために、切磋琢磨している状況は、本当に素晴らしいと思いました。



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