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本日(4/23)の日経新聞 記事ピックアップ: 日本の脱炭素(脱石炭)、DX、ESGを展望する

本日の日経新聞からSDGsおよびDX関連で気になる記事を3つピックアップしました。

1.2030年までに脱石炭: G7で唯一日本だけがおよび腰

◆G7議長国ドイツ「30年までに脱石炭」 5月会合へ打診【日本経済新聞2022.4.23朝刊】

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5月に開催されるG7議長国のドイツが2030年までの国内の石炭火力発電所の廃止を求めているとのこと。

G7各国の脱石炭の状況は、フランス2022年全廃、イギリス2024年全廃、イタリア2025年全廃、ドイツ・カナダ2030年全廃、アメリカ2035年電力部門の脱炭素等、廃止表明がないのは実質日本だけだそうです。

日本は、2011年の福島原発事故以降、原発再稼働が進んでおらず、再生可能エネルギーの普及も遅れており、今のところ2030年の電源構成で約20%を石炭に依存する予定。

この記事の最後には、「温暖化ガスの削減に向けて、議論を主導するG7がどうまとまれるかが世界の脱炭素の行方を左右する」と暗に日本の対応の遅さを指摘しています。

【コメント】
昨年11月に開催されたCOP26では、議長国イギリスが

「主要経済国は可能な限り2030年代に、また世界全体では可能な限り2040年代に、排出削減対策がとられていない石炭火力から移行する取り組みを進め、新規建設は中止すると。」

声明を発表している。

それに対して、日本は「資源が乏しい日本は多様なエネルギーをバランス良く活用する必要があり賛同しなかった」と説明したようである。

結局、日本は、脱石炭に関して、このまま今年のG7に臨むのかを注目したいと思います。

先日の投稿で、ヨーロッパのエネルギー事情について説明しました。

その中で、ドイツについて、

「再生エネルギーが約40%、天然ガスが約15%である。現在、約30%を占める石炭火力発電を2038年までに廃止する方針があり、また、約15%を占める原子力を2022年までに全廃を目指している。」

と記載しました。

今回の記事の石炭火力発電を2030年までに廃止するという方針は、更に8年早めるという宣言です。

現在は、これまで通りの天然ガスの輸入が困難であり、一次的に石炭に依存するものの、長期戦略をしっかり定めて、石炭火力発電を廃止しようとする動きは、とても素晴らしいと感じました。

【参照、引用website】
◆NHK website: 解説委員室 「COP26 強まる脱石炭の圧力 日本の対応は」


2.事務職の需要DXで42%減

◆事務職需要、50年42%減 DXで、経産省20年比予測【日本経済新聞2022.4.23朝刊】

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この記事は、DX等の変化による2050年の業種・産業別の労働需要の推計に関するものです。

経済産業省によると、2050年の事務職の需要は対2020年で42%減少するとのこと。

求められるスキルや知識が今後、以下のように変化すると予測しています。

2015年 「正確さ」「責任感」が重視

2050年 「予測能力」「問題を発見する力」の需要が高まる
     ⇒ エンジニア職の需要20%アップ
     ⇒ 事務職、販売従事者 30〜40%ダウン

【コメント】
経済産業省は、30年後に、DX(AIやロボットの導入)により、産業構造の大きな変化が起こることを予測しています。

キーワードは、おそらく「DX」に加え、「脱酸素」になるのではないでしょうか。

今、私はSDGsとDXを同時に推進する方法を推進しようと考えていますが、企業は、これからの数年で大きく変革しなければ、10年先、20年先、そして30年先に生き残るのが非常に難しい状況になっています。

3.日本のESG審査 あったなら。。。おそらく不合格!?

◆[大機小機] 日本のESG審査あったなら【日本経済新聞2022.4.23朝刊】

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この記事は、日本のESGの現状の弱点をうまく指摘した、非常に興味深い内容でした。

記者が、夢の中で日本がESG審査を受ける場面を見ているという出だしでした。

3-1)環境(Environment)

○:カーボンニュートラルを2050年に実現するための行動計画を決定した。

×:その実現の道筋がはっきりしない。
    再生可能エネルギー拡大に向けた対応
(例:洋上風力のインフラ整備、EV普及のビジョンや数値目標)

3-2)社会(Social)

×:昨年の総選挙で衆議院議員の女性比率が9.7%と後退(世界166位)
    男性支配の派閥政治(女性が意欲を持ちにくい環境を放置)

×:女性の公務員は増えているが、幹部は依然として少ない。
    官僚の長時間労働(女性が意欲を持ちにくい環境を放置)

3-3)統治(Governance)

×:政治家は、国の運営をリードせず、国会で官僚を呼び出して質問するのがメインの仕事になっている。

×:国会での財政の中長期シナリオや温暖化対策について、議員同士が議論していない。

【コメント】

記事では、ESG審査の表決に移る前に目が覚めたと締めくくっている。

日本のESGの弱点を端的に表した内容ですが、この内容だけ見ると「不適合」5個で、審査不合格といいたいのだろうと思います。

話は変わりますが、2021年版世界のSDGsランキングで日本は18位。

そこでも評価が低いのは、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」目標13「気候変動に具体的な対策を」目標14「海の豊かさを守ろう」目標15「陸の豊かさを守ろう」目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」の5つです。

このうち、目標5、7は社会(Social)、目標13、14、15は環境(Environment)です。

そして、過去 数年間、これらの目標の対応ができていないところが統治(Governance)の弱さとして現れています。

即ち、今回の記事を見ても、SDGsの評価を見ても、日本の弱点はかなり明確になっています。

今後、政府が、企業が、そして我々自身が、これらの弱点に対して真摯に対応しなければならないと思います。

【参照、引用website】
◆SDGs media website: 2021年日本のSDGs達成度は18位|日本政府の取り組みを解説


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