SDGs経営について1(取り組まないことが経営リスク)

SDGsの認知度がぐんぐん伸びています。私の職場がある静岡市の調査によると、2020年2月の時点で47.1%の市民がSDGsを「知っている」または、「聞いたことがある」と回答しています。1年前になる2019年1月時点では、28.6%であり、1年間で認知度が大幅に上昇していることがわかります。

2020年 SDGs(持続可能な開発目標)認知度調査 報告書
2019年 SDGs(持続可能な開発目標)認知度調査 報告書
静岡市HPより https://www.city.shizuoka.lg.jp/750_000158.html

大企業は当然ですが、中小企業についてもSDGs経営を取り入れないと社会に取り残されてしまうかもしれません。それはSDGsを取り込まないこと自体が経営リスクになり得ると表現できます。今回は企業経営とSDGsとの関係性について数回に分けながらまとめていきたいと思います。

世界の共通言語
SDGsは2015年9月の国連サミットで策定された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標になります。世界中がこの目標に向けて走り出しています。言い換えるとSDGsは世界の共通言語だと捉えられます。
SDGsは年齢、性別、国、すべてを越えて世界的に認知され始めていますので、企業経営においても多大な影響が生じます。企業のステークホルダーがSDGsによって世界の人々に広がることを意味します。

経済産業省の「SDGs経営ガイド」
日本政府は、SDGs推進本部(本部長:内閣総理大臣)において、「SDGs経営推進イニシアティブ」を打ち出し、企業の経営戦略等へのSDGsの組み込みを推進しています。その流れのもと、経済産業省は「SDGs経営ガイド」を2016年5月に公開しました。SDGsと企業経営の関係性をまとめたこのガイドでは、SDGsを取り込んだ経営のことを「SDGs経営」と表現しています。

SDGs経営のメリット
SDGs経営は様々なメリットがあります。
事業成長の視点で思考すると、SDGs実現に向けて世界的な投資が生じるため、関連技術や解決策を提供する企業にとって、更なる市場拡大機会になり得ると考えられます。
人事戦略の視点で思考すると、今後の企業を支えるミレニアル世代は社会課題解決をポジティブに考え、企業にも社会貢献を求めている傾向が強いため、SDGs経営は優秀な人材の獲得機会に繋がると考えられています。
マーケティング戦略の視点で思考すると、SDGs経営は企業イメージや商品イメージに結び付くため、ブランディングにも繋がると考えられます。
それ以外にもたくさんのメリットはありますが、細かいところは次回以降で詳しくまとめる予定です。

SDGs経営のデメリット
メリットがあればデメリットもあります。デメリットで一番最初に思いつくのは投資コストではないでしょうか。SDGs経営はどんなにスモールスタートをしたとしても活動に充てる人件費が発生します。また、大規模なSDGs投資を考えた場合、それなりのコストが生じることが考えられます。
しかし、世界中の企業がSDGs経営を開始した場合、SDGs経営はもはや投資ではなく企業運営の必要コストになり得ます。世界中の企業がSDGsを取り入れる中、自社だけが何の取り組みもしていない場合、先に触れたSDGsのメリットがすべて逆説的にデメリットとして跳ね返ってきます。このように考えるとSDGs経営に取り組まないこと自体が経営リスクと考えられます。

少し長くなってきましたので、今回はここまでにしておきます。次回はSDGs経営のメリットについて「共感」を軸にしながらもう少し突っ込んだところまで考えてみたいと思います。

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