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未来からの案内人

「10年先しかみてないから、僕に設計を頼むクライアントはなかなかいないんだよね」

小ぢんまりした設計事務所には、
センスの良いアンティークの机と
INCISAが置かれていた。

彼に設計を頼む人は
よほど未来をみてるか
シックスセンスが磨かれている人ね。

そのせいか
いつ訪れても
ゆったりとした時間が
流れていた。
そして育ちの良い女の子が
いつも美味しいお茶を
入れてくれた。

「都会の古いマンションに森をつくりたいんだけど、できる?」

「いいね〜、もちろんさ。任せて!」

この時、Norisが縄文式住居と
その頃の生活様式を
研究していることを知った。

土中微生物の住む空間が、
人間を元気にして
自然のワクチンが体内にできるように
なるんだって。

「へー、面白いじゃない。何かワクワクする。やろうよ」

それから、
築50年の劣悪な環境を
日本一心地よい免疫空間にする
プロジェクトが始まった。

お金のことは忘れよう。
何とかなるさ。

Norisにもそう伝えたから
きっと美しいものができる。
都会の中の森が実現するんだ。

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