清水典之

フリーライター、56歳です。

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最近の記事

やはり心筋炎の頻度は、決して稀ではない

科学誌サイエンスに、若者の心筋炎に関する記事(論文ではなく)が載っています。コロナワクチンの接種で、100万人に数10人程度が心筋炎を発症するとされていますが、気がつかないだけで、実はもっと高頻度で心筋の炎症が起きているのではないか、という内容です。 Heart risks, data gaps fuel debate over COVID-19 boosters for young people (心臓のリスクとデータのギャップが、若年層向けCOVID-19ブースター接種

    • 抗原原罪が起きるため、オミクロン株BA.4/5対応2価ワクチンは、武漢株ワクチンの効果を上回れない

      日本でも接種が始まっているオミクロン株BA.4/5対応2価ワクチンですが、Bloombergの報道(2022年10月26日)によると、武漢株ワクチンを4回接種した以上にオミクロン株に対する中和抗体が上がらなかったそうです。 ●オミクロン株対応ワクチン、従来型を上回る効果見られず-調査 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-26/RKC2C6DWLU6801 このBA.4/5対応2価ワクチンは、BA.1/2対応2

      • コロナに1回感染しないと、ワクチンの感染予防効果は発揮されないのではないか、という論文

        ちょっと面白い論文を紹介します。今まで謎だったことが、少し解けたような気がします。 ネイチャー・コミュニケーションズ(ネイチャーの関連媒体)に載った論文で、著者は米マウント・サイナイ大学の研究者らです。 ●SARS-CoV-2 vaccination induces mucosal antibody responses in previously infected individuals 2022/09/01 https://www.nature.com/articles/

        • 5〜10歳へのワクチン接種の感染予防効果は、1か月半後にマイナスに突入

          すでにNHKや朝日新聞、時事通信などが報じていて、今さらなんですが、これら大手メディアの記事では触れられていないことがあるので、そこを中心に。 これら記事で引用されている元の論文は、2022年2月28日にmedRxivに公開されています(以下)。査読前ですが、ニューヨーク州保健局とニューヨーク州立大学アルバニー校公衆衛生学部による州全体の新型コロナ関連の症例データベースのデータを解析したもので、ニューヨーク州の5〜11歳および12〜17歳の子供におけるオミクロン株に対するフ

        やはり心筋炎の頻度は、決して稀ではない

        • 抗原原罪が起きるため、オミクロン株BA.4/5対応2価ワクチンは、武漢株ワクチンの効果を上回れない

        • コロナに1回感染しないと、ワクチンの感染予防効果は発揮されないのではないか、という論文

        • 5〜10歳へのワクチン接種の感染予防効果は、1か月半後にマイナスに突入

          宮澤大輔医師と宮沢孝幸准教授の“Wみやざわ”で、子供へのワクチン接種券送付に反対する署名を厚労省に提出

          厚労省は2月10日の予防接種・ワクチン分科会で、5〜11歳の新型コロナワクチンの接種について「努力義務」規定の対象外とすると決定しました。 現行の新型コロナワクチンはオミクロン株に対する感染予防効果はほとんどないし(接種者も他人にうつす)、重症化リスクを下げるといっても、そもそも日本の10歳未満の子供の場合、コロナ死はいまだに0だし、ほとんど重症化もしません。一方で、ワクチン接種には心筋炎の発症リスクがあり、以前書きましたが、コロナに罹患して心筋炎を発症するより、ワクチン接

          宮澤大輔医師と宮沢孝幸准教授の“Wみやざわ”で、子供へのワクチン接種券送付に反対する署名を厚労省に提出

          イスラエルから、4回目ブースター接種の感染予防効果を検証した論文が出ました

          テルアビブ大学などイスラエルの研究チームから、ファイザーワクチンとモデルナワクチンを4回接種した場合のオミクロン株に対する感染予防効果を検証した論文(査読前)が出ています。 医療従事者1050人に対し、ファイザーワクチンとモデルナワクチンの4回目ブースター接種を実施し、IgG抗体価および中和抗体価、ウイルスの直接中和、T細胞活性化を評価したところ、両ワクチンとも接種後2週間以内にIgG抗体価および中和抗体価が約9~10倍上昇し、オミクロン株中和抗体価は8倍上昇し、3回目のワ

          イスラエルから、4回目ブースター接種の感染予防効果を検証した論文が出ました

          オミクロン株ベースのワクチンは出てこない

          モデルナがオミクロン株をベースにしたワクチンを作って、動物実験で3回目のブースター接種(1、2回目は武漢株ワクチン)として使ってみたら、オミクロン株に対する中和抗体があんまり上がらず、むしろ武漢株ワクチンを3回目に打ったほうが、オミクロン株に対する中和抗体が上がったという結果が出たそうです。査読前論文ですが、モデルナからの公式の報告です。 文章だとわかりづらいので、結果を下の図のようにまとめてみました。 オミクロン株ベースのワクチンの方が、オミクロン株に対して効きそうなの

          オミクロン株ベースのワクチンは出てこない

          心筋炎で死んだ心筋細胞は再生されない

          ワクチン接種で心筋炎になっても、ほとんどが軽症で回復するといわれていますが、「ほとんどが軽症」ってどういう意味だと思いますか? 試しにツイッターの検索で、「ワクチン 胸 チクチク」「ワクチン 胸 痛い」などのキーワードで検索をかけてみてください。ワクチン接種後にそういう症状をツイートしている人たちがぞろぞろ出てきます。ワクチンで心筋炎になる可能性があるということをメディアが伝える前からこういうツイートはあるので、暗示効果ではないでしょう。発熱や倦怠感など典型的な副反応と一緒に

          心筋炎で死んだ心筋細胞は再生されない

          貧困国より、富裕国のほうが、感染者数も死者数も激増しているという現実

          私は「Our World in Data」をしょっちゅう見ているんですが、このサイトで表示できるのは、国や地域のデータだけではありません。「High income(富裕国グループ」から「Low income」(貧困国グループ)まで4つの階層に分けて、新規感染者数などを比較できるようになっています。富裕国はワクチンの接種率が高く、貧困国は接種率が低いわけですが、人口あたりの新規感染者数と新規死者数をグラフにすると下の2つの図のようになります。 誰が見ても明らかですが、「Hig

          貧困国より、富裕国のほうが、感染者数も死者数も激増しているという現実

          スコットランドからも、ワクチン効果がマイナスになっているという統計が

          デンマーク、カナダのオンタリオ州に続いて、スコットランドからも、オミクロン株に対してワクチン接種者のほうが未接種者よりも感染率が高いという統計データが出ています。 以下はスコットランド公衆衛生局のデータ(1月10日付け)です。 https://publichealthscotland.scot/media/11089/22-01-12-covid19-winter_publication_report.pdf このPDFの30ページ目にあるのが下図で、2022年1月1日

          スコットランドからも、ワクチン効果がマイナスになっているという統計が

          ワクチンによる心筋炎とコロナ罹患による心筋炎、どちらが多いのか。 厚労省が作成した資料のデタラメを指摘する

          ツイッターのトレンドに「宮沢先生」というワードが上がっていて、何かと思って見に行ったら、京大ウイルス研の宮沢孝幸准教授が「TVタックル」に出演して、それが話題になっていました。宮沢氏は関西のテレビにはわりとよく出ているようですが、東京だとTVタックルくらいで、他の出演者らで宮沢氏を袋だたきにするのが定番になっています。そういう番組です。 私は見ていなかったのですが、この番組に出演していた東京医科歯科大学病院副病院長の荒井裕国氏が、「若い人がコロナに感染した場合の心筋炎発症率

          ワクチンによる心筋炎とコロナ罹患による心筋炎、どちらが多いのか。 厚労省が作成した資料のデタラメを指摘する