5〜10歳へのワクチン接種の感染予防効果は、1か月半後にマイナスに突入

すでにNHKや朝日新聞、時事通信などが報じていて、今さらなんですが、これら大手メディアの記事では触れられていないことがあるので、そこを中心に。

これら記事で引用されている元の論文は、2022年2月28日にmedRxivに公開されています(以下)。査読前ですが、ニューヨーク州保健局とニューヨーク州立大学アルバニー校公衆衛生学部による州全体の新型コロナ関連の症例データベースのデータを解析したもので、ニューヨーク州の5〜11歳および12〜17歳の子供におけるオミクロン株に対するファイザー製ワクチンの有効性を検討した研究です。子供を対象にしたオミクロン株に対するワクチン効果を測定した結果としては、初めてだと思います。

●引用元の論文

概要は、下の図を見てもらった方が早いです。
青が5〜11歳、オレンジが12〜17歳です。

ワクチン接種して2週間後の感染予防効果は、5〜11歳で65%、12〜17歳で76%となっていますが、これが日が経つにつれてどんどん落ちてきて、約1か月後(28〜34日後)には、5〜11歳で12%、12〜17歳で56%まで下がります。12〜17歳に比べて、5〜11歳は感染予防の効果が落ちるのが非常に早く、1か月でほぼゼロになってしまうということで、上記のメディアはそれを報じています。論文のアブストラクトには、ここまでしか書いてありません。

しかし、PDFで全文を読むと、実際にはその先があり、上の図は論文の下の方に掲載されています。5〜11歳の場合、その後、感染予防の効果はマイナスに突入し、1か月半後(42〜48日後)には-41%になっています。つまり、ワクチンを打った子供のほうが、未接種の子供に比べて、感染率が約1.4倍になっていたということです。大手メディアはそこには触れずに報じています。

5〜11歳の場合、入院を予防する効果は1か月後も半分くらい残っているから(100%->48%)、ワクチンを接種する意味があると言っていますが、そもそも日本の子供の場合、ほとんど重症化しません。アメリカではけっこう子供も死んでいるので、意味があるかもしれませんが、重症化を予防する効果が半分残っていたとしても、1.4倍感染しやすくなっているのだから、ほとんどプラマイゼロではないでしょうか。グラフの傾向から見れば、さらにこの先には何が待ち受けているか、大きな不安を感じます。

この図の下には、注意書きとして「後半のタイムポイントで観察された負のVE値(注:ワクチン効果)は、推定量の不安定さおよび/または残留交絡を反映している(注:排除できない他の要因があると言っている)と思われ、真の相対的なVE値とは異なる」と書かれていますが、その根拠は特に提示されていません。研究者の単なる感想です。

ネット上の医クラの中には「査読を経ていない」「バイアスがかかっている」と否定しようとしている人がいますが、これ、ニューヨーク州の症例データベースから子供のデータを引っ張ってきてエクセルに入力してマクロで計算したような研究で、論文というより報告書みたいなものです。査読もクソもない。バイアスがかかっているとしたら、むしろ、根拠も示さず「真の相対的なVE値とは異なる」と断言しているところで、「ワクチンの効果がマイナスになるわけがない」というバイアスがかかっているように見えます。デンマークやカナダ、スコットランドなどで、ワクチン効果がマイナスになっているという統計がすでに出ているんですけどね。

5〜11歳と12〜17歳で、なぜこんなに効果に差があるのかというと、5〜11歳の場合、ワクチンの量が成人(12歳以上)の3分の1だからと考えられます。安全性を考慮して、量を減らしたわけですね。だから、免疫があんまり上がらず、すぐに効果が消えていく。じゃあ、成人と同じ量にすればいいかといったら、そうなるとたぶん、心筋炎などが増えるんだと思います。心筋炎などの副反応は、自分の免疫が自分自身を攻撃して起きるとされていて、免疫を上げれば当然、副反応も大きくなるでしょう。だから、増やせないんだと思います。

しかし、たった1か月で感染予防効果がほぼゼロになって、その後マイナスに突入して、1か月半後には1.4倍感染しやすくなるというワクチンを打つ意味ってありますかね? 日本でも5〜11歳の接種が始まっていますが、いったんストップしたほうが良くないですか? 「努力義務」がはずされたにもかかわらず、接種券を送付している自治体が多いようで、親御さんは打たせなきゃいけないような圧力を感じて接種させるんでしょうが、下手をすると、子供の間で感染爆発が起きるかもしれませんよ。


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