抗原原罪が起きるため、オミクロン株BA.4/5対応2価ワクチンは、武漢株ワクチンの効果を上回れない

日本でも接種が始まっているオミクロン株BA.4/5対応2価ワクチンですが、Bloombergの報道(2022年10月26日)によると、武漢株ワクチンを4回接種した以上にオミクロン株に対する中和抗体が上がらなかったそうです。

●オミクロン株対応ワクチン、従来型を上回る効果見られず-調査
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-26/RKC2C6DWLU6801

このBA.4/5対応2価ワクチンは、BA.1/2対応2価ワクチンの効果が芳しくないので、アメリカ政府が製薬会社に作らせたもので、急造なので、マウスでの動物実験しかしていなくて、ヒトでの臨床試験をしないまま承認されて接種が始まっているんですね。日本でも接種が始まっています。
で、米コロンビア大とミシガン大の研究者らが、ヒトに接種して中和抗体を計測したら、従来ワクチンを4回接種した場合と変わらなかったと。論文は以下に出ています。

●Antibody responses to Omicron BA.4/BA.5 bivalent mRNA vaccine booster shot
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2022.10.22.513349v1

論文には、
「オミクロンBA.4/BA.5とSARS-CoV-2の野生株を標的とした2価のmRNAワクチンは、4回目の接種では、オリジナルの1価ワクチンと比較して、試験期間中に優れた中和抗体反応を誘導することはなかった」
とあります。むしろ低いくらいで、武漢株ワクチンを何度も打って抗体を爆上げするほうが、中和抗体は上がるみたいです。

やっぱり「抗原原罪」が起きているんですね。武漢株に対する免疫記憶が強烈に刷り込まれているので、抗原にBA.4/5が混ざっていても、反応しなくなっています。どうするんですかね、これ。

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